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2895.【オランダ国内小旅行記】生き方の伝承と刷新

September 4, 2018

デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園に向けた旅が少しずつ迫ってくる。今回はオランダ国内の旅行となるが、国内旅行と言えども心が躍る。

 

仮に日帰り旅行であったとしても、旅には私たちの心を揺さぶってくれる何かがあるようだ。これこそが旅の醍醐味の一つかもしれない。

 

旅は私たちを揺さぶってくれるのだ。凝り固まった日常から非日常に私たちをいざなってくれる。

 

旅が不可避に内包する揺れについて考える。それは認識の枠組みを揺らすものであり、感情を揺らすものである。つまり、それは私たちの存在そのものを揺らすものだと捉えることができそうだ。

 

発達には適度な揺れが不可欠であるという原理を考えると、旅は私たちの存在を深めてくれることにつながり得るものだということが見えてくる。

 

他の現象と同様に、旅についてもまだ見えないことが沢山ありすぎる。旅の意味と旅の意義。それらの双方がまだ私には明確に掴めていない。

 

いや正確には、今の私に掴めるものはすでに掴みつつあるのだが、旅にはさらに未知なものが内包されているということがわかってきているという感覚だ。

 

旅に未知なものが多分に含まれているというのは、旅の経験の不足と旅に対する内省の欠如からもたらされたものだと思う。やはり旅の経験とそれを内省することがまだまだ絶対的に不足しているようだ。

 

旅の経験も他の経験と同様に、早急にそれを獲得することはできず、焦らずにゆっくりと経験を積んでいけばいい。今回の旅もそうした貴重な経験の一つになっていくだろう。

 

昨日、父から一通のメールが届いた。父もあと少しで退職となり、企業社会から身を引くことになる。

 

仕事を通じて長きにわたって家族を支え続けてくれた父には本当に感謝している。祖父、父、私の生き方は三者三様だが、最近よく思うのは、先代は後世の生き方を新たなものにし、より深いものにすることに寄与しているのではないか、ということだ。

 

今の自分の生き方は、自分だけで構築されたものでは決してない。先代からの伝承と刷新の結果として今の自分の生き方が造形されたということを最近よく思う。

 

自己の歴史を考える際に、自分一人の歴史の中に閉じこもっていては何も見えてこない。そもそも、個人の歴史も集合の歴史も切れ目などないのである。

 

「生まれる前から自分は生まれている」という発想はそうしたところからもたらされるものなのではないだろうか。禅の世界で言うところの「原初の顔を見よ」という言葉もここで述べていることに近いものではないかと思う。

 

退職が迫った父は、昨日朝会でスピーチを行ったそうだ。父は10年ほど前から一眼レフで写真を撮影することに凝っており、心に響く写真があったら、詩を創作して写真に添えるということを行っている。

 

スピーチの内容は、この10年の実践を経て得られた気づきによって構成されていた。昨夜は今日の旅の支度をしようと思っていたのだが、結局送られてきた文章を何度も読み、あれこれと考えているうちに旅の支度ができなくなってしまった。

 

それぐらいに父のスピーチ原稿には考えさせられることが多くあったのである。印象に残っていることを今一つだけ挙げるとするならば、それは既存の型から自由になる道についての話になるだろう。これについてはまた改めて文章を書き留めておきたい。

 

学術的な研究を進めていく際にも型は必要であり、作曲実践をする際にも型が必要なのは間違いないが、型を習得し、そこから解放されていく過程で自分に固有の型をいかに獲得していくかというのは自分にとっても大切なテーマであり、随分と響くものがあった。今日の移動の列車の中、あるいは滞在先のホテルで改めてこのテーマについて考えたいと思う。フローニンゲン:2018/7/26(木)08:19

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