昔から英単語を覚えることが好きであったが、この歳になってもそれに喜びを見出す自分がいることに気づいたことは驚きである。日本語の語彙も英語の語彙も、その成長速度は微々たるものだが、ゆっくりと言葉のネットワークを育んでいくことはいくつになっても独特の喜びをもたらす。
言葉というのは不思議なもので、語彙が豊富になればなるほどに、認識世界が拡張していく。また、言葉のネットワークが密になればなるほど、認識世界内での言語使用の密度及び堅牢性が高まる。こうしたところに喜びの根源があるのかもしれない。
先日、“herring”という魚の姿は自らの英語空間の中で完全に想起されていたのだが、その単語に対応する日本語を忘れており、幾分もどかしい思いをした。それが「ニシン」であることを思い出したのはしばらくしてからであり、言葉が欠落することの不自由さを実感することになった。
私たちは言葉を使って思考をする生き物であり、言葉の欠落は思考運動を随分と妨げるのだなと改めて思わされた。そもそも、ある言葉の意味を知らないということはその言葉が意味する事柄が自分の意味世界にはないということを表す。
確かに言葉によって私たちの認識世界は分節化されているが、逆に言えばこうした分節化がなければ、ある対象を他の別種の対象と分けて把握することができない。“herring”と“mackerel”の単語が自分の内側になければ、それらの魚を正確に区別することはできない。
また、名詞のみならず多様な形容詞を獲得していくことにより、感情の機微を表現することやそれを理解することが可能になってくる。言葉は私たちの感情世界にも当然ながら繋がっており、そうしたことを考えると、言葉の獲得とそれを育んでいくことがどれほど大切かがわかってくる。GREの試験に向けて単語を勉強しているとそのようなことをふと思った。
今日も500個を超える単語を見ていくことになる。その時に単語を学んでいくことの楽しさを忘れないようにしよう。
新たな単語が一つ見つかるたびに、それは自分の認識世界の幅と深さを拡張させてくれるものだと実感することが大切だ。また、おそらくGREの試験対策をすることは今回が最後であろうから、単語集に収められている3861個の単語はできるだけ全てを身体感覚の次元で習得したいと思う。
単語のネットワークを拡張させていくことは、認識世界を深めていく。それを常に忘れないようにしたい。
今日はこれから30ページのうちの6ページほどに取り掛かり、その後作曲実践を挟む。6ページに取り組む中で、昨日ど同様に、忘れてしまっている単語についてはその余白に同義語や例文を書き込んでいくこと、時にはイラストを描くことを行っていく。
また何よりも大切なのは、その単語が持つ語感を掴むことである。語感を掴む方法については今日の学習の中であれこれ工夫をしてその効果的な方法を見つけたいと思う。フローニンゲン:2018/7/19(木)07:23
No.1144: A Cold Rain in Summer
Although it was raining in the early morning, it stopped.
Now, I can see the vast blue sky. My expectation for visiting Northern Europe from tomorrow is rising. Groningen, 09:04, Friday, 8/24/2018