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2838. ウィリアム・ブレイクの作品に関する印象的な夢


今日は室内にいても肌寒い。天気予報を確認すると、最高気温が21度であり、最低気温は10度である。

空一面が雲で覆われており、太陽の光が降り注いで来ないことも肌寒さを助長しているように思う。昨夜は論文の最終修正を行うために、随分と念入りに自分の文章を読み返していた。

昨年の論文に比べても、自分の文章に進歩が見られたことは喜ばしいことであった。自分が扱う日本語も英語も進歩を遂げていく。自分の内面が成熟に向けて歩みを続けている限りはその現象が生じる。

今年執筆した論文と昨年の論文を比べてみた時に、論文内で構築される文章の密度を観察してみると、それがより緻密なものに姿を変えていた。緻密さの向上は、文章の質的な深化を表している。

文章はやはり書けば書くだけその密度が高まっていくように思える。もちろんただ文章を書けばいいというのではなく、書いた文章そのものからフィードバックを受け、そのフィードバックを新たな文章に反映していくという意識と実践が求められる。そうした意識を持ち、実践を継続させていけば、自分の文体がより洗練されていく。

今突然、今朝方の夢について思い出した。とても重要な場面を思い出したのでそれを足早に書き留めておく。

夢の中で私は、東京のある美術館にいた。厳密には、多摩にある美術館の外にいるところから夢が始まった。

その美術館の後ろには山があり、自然が近くにある。街から坂道を登る過程でその山が美術館の背中に見える。

私は、母と娘の関係だと思われる二人の女性が坂道を登り切り、美術館の中に入ろうとする姿を眺めていた。その姿を見届けた後、私も美術館の中に入った。

そこはとても清潔感のある美術館であり、館内の開放的な窓からは外の自然を眺めることができる。天井にも工夫が凝らされており、太陽の光がうまく差し込むようになっている。そのため、館内は自然の光によってとても明るかった。

館内をゆっくりと歩いていると、私はある一枚の絵の前で足を止めた。ちょうど私の横には、この美術館のオーナーらしき人がいた。

:「この絵は随分と迫力がありますね」

オーナー:「ええ、私もそう思います。この絵の作者が誰かわかりますか?」

:「江戸時代の日本人画家の誰かですか?この絵に大きく描かれている女性の服装や容姿を見ると、江戸時代の人間がモチーフになっていますよね」

オーナー:「そう思いますよね。ですが、違うんです。イギリスの画家、ウィリアム・ブレイクです」

:「えっ、ブレイク?あのブレイクですか?ブレイクがこのような絵を描くとは想像できませんでした」

オーナー:「この絵を発見した時、私も最初はそう思ったんですよ。何せブレイクは幾分宗教的な絵画や若干グロテスクな絵画を描きますでしょう」

:「ええ、その通りですね。だから私もこの絵がブレイクによって描かれたものだと聞いて驚きました」

オーナー:「実は、もっと驚くことがあるんです」

:「えっ、それは何ですか?」

オーナー:「この絵に描かれている人物の瞳を見てください。左目の中をよく見てみると、何が見えますか?あっ、ちょっと見づらいかもしれませんね。ハイテクの機器があるので、それを用いて拡大してみましょう。さて、これでどうでしょう。何が見えますか?」

:「こ、これは驚いた!どこかの国の象形文字ですね。よくよく見ると、古代中国語か何かですか?」

オーナー:「ええ、まさにその通りです。私たちはこの瞳の中に描かれた象形文字の意味を解読してみたんです」

:「どんな意味だったのですか?」

オーナー:「どうやらこれは当時の日本人が用いていた言語らしく、当時の日本の様子が表現されていました。ある貿易商の男が街の食堂に入り、そこで仲間と談笑を楽しんでいる光景が描かれていました」

:「それは面白いですね。より具体的にはどのようなことが表現されていたんですか?」

オーナー:「はい、食堂に入った貿易商の男は食堂の中を一瞥し、その後・・・(説明続く)」

オーナーの説明を聞いていると、それは一種の物語であるかのようだった。なぜだかわからないが、オーナーが一つ一つの光景を説明するたびに、その場の光景が鮮明なイメージを伴ってありありと想起された。

よくよく考えてみると、ブレイクが生きていた時代は確かに日本の江戸時代と重なる。江戸時代の日本の街の様子、特にある食堂の中で展開されていた人間模様が鮮明なイメージとして捉えることができた時、私はとても嬉しく思い、それは感動的ですらあった。

オーナーの話を全て聞き終えた後、私はオーナーにお礼を述べ、もう一度その巨大な絵を眺めた。絵に描かれている人物の瞳を再度眺めた時、その瞳に吸い込まれそうになった。

江戸時代のあの光景の中に再び引き込まれそうになる自分がその場にいた。そのような夢を今朝方見ていた。

改めて思い返してみると、随分と印象的な夢であった。あの絵画作品に描かれていた女性が着ていた服の青銅色の鮮やかさを忘れることができない。

また、その女性の瞳の奥に密かに描かれていた無数の文字についても忘れることができない。あの夢は一体何を示唆していたのだろうか。フローニンゲン:2018/7/14(土)07:27

No.1135:A Masquerade on the Other Side of the Door

A door shows up suddenly in front of my eyes, and I can find an ongoing masquerade on the other side of the door, which I’ve never seen before.

After I go out of the exit of the masquerade for a while, I can encounter a new door, on the other side of which another dance party is being held.

Our life seems to be a continuity of open and close doors, and a masquerade. Groningen, 09:50, Monday, 8/20/2018

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