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2813. オーロラとモネ


極々わずかだけ小雨が降り続けている。書斎の窓には未だ雨滴が小さく付着している。

先ほど昼食を摂り終え、これから午後の活動に入っていく。昼食後にはまず作曲実践を行い、仮眠を挟んでさらにもう一度作曲実践を行う。

その後、午前中に読んでいた発達理論の専門書の続きを読み進めていく。本書はできれば今日中に最後まで読むことができれば思う。

窓の外の景色を眺めていると、ふと数日前に散髪をした際に、美容師のメルヴィンとオーロラについて話をしていたことを思い出した。お互いの夏の休暇、さらには冬の休暇についての話をしていた際に、私が冬にオーロラを見に行こうと思っているということを伝えた。

するとメルヴィンは、彼の婚約者が以前に北欧にオーロラを見に行った時の感動について共有をしてくれた。「それはこの世のものとは思えないほど神秘的で、自分の婚約者は思わず涙を流してしまったそうだ」ということをメルヴィンが述べていたのを思い出す。

オーロラのような幻想的かつ極上の美がこの地球上に存在することに改めて畏怖の念を持つ。メルヴィンも私も都市型生活よりも自然をこよなく愛するという点で共通しており、オーロラの美しさ及びその神秘性について話が盛り上がった。

メルヴィンとの話を思い返していると、彼の婚約者がオーロラを見て思わず涙を流してしまったように、オーロラには人間の心を打つ何かがあるのだろう。それは魂を震わせる何かだと言っていいかもしれない。

オーロラの観測で有名なノルウェーのトロムソを訪れてみたいという思いが再燃した。しかし私はトロムソの街に滞在しながらオーロラを眺める機会を待つよりも、船の上で過ごしながらオーロラを見る機会を待ちたいという思いが強くなっている。

調べてみると、街からオーロラを見るよりも、人工的な灯りが少ない海からの方がオーロラが綺麗に見えるらしいことを知った。また、オーロラ観測向けのクルーズツアーも存在していることを知った。

いくつか目星のクルーズを見つけたところ、イギリスの船には現役の宇宙物理学者が乗船し、オーロラ及び宇宙について解説をしてくれるサービスまで付いているものもあった。秋に欧州の都市に旅行に出かけるぐらいなら、それを控えて、冬にオーロラ観測のクルーズツアーに参加した方がいいのではないかと考え始めている。

時期としては来年の一月か二月のどこかになるだろう。少し気が早いかもしれないが、来年初旬の旅行について思いを巡らせていた。

ちょうど今、モネが夕暮れの砂浜を描いた作品を見て大きな感動を覚えた。夕日が海面に輝くように反射している様を見事に描くあの技術はいかようにして獲得されたのか。モネの凄さを改めて実感する。

モネについては、ロンドンのナショナル・ギャラリーで購入した画集とDVDを改めてよく鑑賞したいと思う。ナショナル・ギャラリーを訪れたあの日、モネの特別展示を鑑賞して本当に良かったと思う。

それまでの私は、モネの偉大さについては知っていたし、素晴らしいと思わせてくれる作品があることもわかっていた。だが、あの特別展示を見て、モネに対する敬意がより一層強まったように思う。一人の表現者として、モネから汲み取れることは泉のように計り知れないだろう。

ふと顔を上げると、雨が止んでいた。もしかしたら、これから本当に晴れ間が差し込んでくるかもしれない。フローニンゲン:2018/7/9(月)13:40

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