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2764. 三つ目の修士課程の終わりに向けて


今しがた書斎の窓から通りを行き交う人たちの様子を眺めていた。自転車を漕ぐ人たちの表情は明るく、今日のような清々しい天気の中を自転車で走るのはさぞかし気持ちがいいだろうと思う。

フローニンゲンの上空には雲一つない青空が広がっていて、窓の外には涼しげな風が吹いている。風に着目をしてみると、風とは本当に生き物のようなのだと思った。

というのも、起床直後には無風状態であったにもかかわらず、今は小刻みなダンスを踊るかのような生き生きとした風がそこにあるからである。風も生きているのだ。

風は地球の呼吸であり、そこには生命力が溢れている。ゆっくりとした深呼吸の時もあれば、早い呼吸の時もある。地球は生きており、風も生きているのだということに気づく。

早朝にショパンの曲に範を求めて早速一曲ほど作った。いつも作曲実践をしていて気づくのは、作曲実践をするたびに明示的・非明示的な学びを絶えず行っているということである。

具体的には、過去の作曲家に範を求めながら曲を作っていると、そこには言語化が可能な気づきや発見がある時が存在している一方で、言語化までは至らないが身体的に確実に何かを学んでいるという感覚が絶えずしている。

後者はもしかすると作曲における暗黙知のようなものなのかもしれない。各作曲家には固有の作曲語法が備わっており、それは彼ら固有の暗黙知の塊であるかのようだ。

そうした暗黙知から何かを汲み取るように作曲実践を進めている自分がいる。言葉になるものはできるだけ言語化し、言葉にならないような身体知的経験を数多く積む過程において徐々にそうした暗黙知を形式知にしていきたいと思う。昼食前にまた作曲実践を行いたい。

論文アドバイザーのミヒャエル・ツショル教授の都合により、修士論文の提出が少しばかり後ろにずれ込んだ。当初の予定では六月の半ばに提出する予定だったのだが、結局七月の第一週に提出することになった。

ロンドンへ旅行する前にすでに論文の最終原稿が完成しており、数日前に最後のフィードバックを受けた。明日と明後日に集中的に論文の最終レビューを行い、日曜日には提出用の論文を完成させたいと思う。

論文の提出日には、今回の研究結果の発表機会があり、それについては前回と同様にポスター形式で行うのかパワーポイント形式で行うのかをプログラムコーディネーターのマイラ・マスカレノ教授に確認しておく必要がある。

来週の水曜日に論文の提出をし、研究の発表を行えば、無事に欧米での三つ目の修士課程を終えることになる。そこからは一旦学術機関に所属するのをやめ、自らの関心に沿う形で旺盛に探究活動に打ち込みたいと思う。フローニンゲン:2018/6/28(木)09:55

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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