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2743. 【ロンドン滞在記】クロード・モネ特別展示での感動


先ほど訪れたナショナル・ギャラリーでの感動が今もまだ忘れられない。とりわけクロード・モネの特別展示は本当に素晴らしかった。

今朝方改めてナショナル・ギャラリーのウェブサイトを調べていたところ、今日はメンバー会員しか特別展示を見ることができないような記載になっていたので残念に思っていた。しかし実際にナショナル・ギャラリーを訪れてみると、当日チケットが購入できることがわかった。

せっかくなのでモネの名画77点をこの機会に堪能したいという強い思いが湧いてきた。その前にショップでどのような作品が展示されているのかを確認するために、特別展示用の画集を眺めていた。

それを開いてすぐに気づいたのは、この特別展示を逃しては決してならないということだった。画集を元の場所にそっと置き、私はチケット売り場に向かった。

:「こんにちは。特別展示のチケットを一枚いただけますか?」

チケット売り場の係員の男性:「こんにちは。一枚ですね。了解しました」

:「てっきり今日はメンバー会員しか購入できないかと思っていたので、当日チケットを購入できて嬉しいです」

チケット売り場の係員の男性:「少し表示がわかりにくかったようですね。期間中は当日チケットをいつでも購入できますよ。あっ、アメリカンエキスプレスのプラチナカードをお持ちなのですね。それでしたら特別展示は無料です」

:「本当ですか?それは有り難い!」

チケット売り場の係員の男性:「ええ、そのカードをあちらのカウンターで見せてください。そうすれば無料でチケットがもらえます」

:「どうもありがとうございます」

失礼ながら、アメリカンエキスプレスのプラチナカードを持っていてこれまで特典らしい特典を実感したのは、世界中の空港ラウンジを無料で使えるプライオリティーパスぐらいしかなかったので——この特典は欧州の地で飛行機を用いた旅行をする際にとても重宝している——、まさかこうした美術館でもカードの恩恵が受けられるとは思ってもいなかった。私は無料でモネの特別展示が見れることをひどく喜んだ。

しかし、係員の男性に指示されたカウンターでそのカードを見せた時、どうも様子が違った。

:「すいません。こちらのカードで特別展示のチケットをいただけますか?」

係員の女性:「はい、アメリカンエキスプレスのプラチナカードですね。ん?カードの色がグリーンではなくブラックですね。ちょっと確認してみますので少々お待ちください」

:「はい」

係員の女性:「大変申し訳ないのですが、カードの絵柄が違うようなのでそのカードでは無料で特別展示を見ることができません。あちらのカウンターでチケットをお求めください」

:「えっ?さっきそのカウンターの男性が無料で入れると言っていたのですが・・・」

係員の女性:「申し訳ないのですが、色と絵柄が違うのでご利用いただけません」

無料で展示を見られると思って喜んでいたのだが、そこから一転して少々落胆した。人生には山あり谷ありだ。

アメリカンエキスプレスのカードの絵柄は米国ではあの特徴的な人柄の絵柄なのだが、このカードは日本で作ったため、特徴的なあの人柄ではなく、プラチナカードなのにブラックカードであるかのような色をしている——色が黒でダメだというのはおかしく、本来であればブラックカードが一番格上なはずなのだが。

私はもう一度先ほど親切に対応をしてくれた男性のところに行ってチケットを購入することにした。

:「たびたび申し訳ありません。このカードではダメだと言われてしまったので、チケットを購入させてもらえますか?」

チケット売り場の係員の男性:「えっ?そんなはずはありませんよ。まったく、彼女は何も分かっちゃいませんね。一緒に行きましょう。私が彼女に説明します」

勢いよく係員の男性がそのように述べ、私と一緒にまたしても先ほどのカウンターに向かった。

チケット売り場の係員の男性:「アメリカンエキスプレスのプラチナカードは無料で特別展示を見れるということを知らないの?」

係員の女性:「いや、でもカードの絵柄がこのマニュアルに表示されているものと違うでしょ」

チケット売り場の係員の男性:「い〜や、今日何人かすでにアメリカンエキスプレスのプラチナカードで無料で特別展示を見てるんだから、絵柄が違っても関係ないだろう」

係員の女性:「だけど・・・」

チケット売り場の係員の男性:「さっき僕はこのジェントルマンに無料で見れると言ったんだ。だから無料だ」

係員の男性は力強くそのように述べ、無料チケットの束からさっと一枚を切り取って私に渡してくれた。私はその男性の厚意に本当に感謝をした。

私はその係員の男性の方に手を当ててお礼を述べた。それにしても、「ジェントルマン」と呼ばれたのは初めてかもしれない。さすが紳士の国の英国だと思った。

20ポンド(約3000円)の特別展示が無料で見れることになり、私はその係員の男性に今でも大変感謝をしている。帰り際に再度お礼を述べようと思ったが、もうその男性はそこにいなかった。

繰り返しになるが、この特別展示を見ることができて本当に良かったと思う。モネの作品が素晴らしいことはずっと前から分かっているつもりでいたが、実際に名画77点を見たとき、ここまで素晴らしい作品を残している画家だったのかと多大な感銘を受けた。

ゴッホとは画風は全く異なるが、ゴッホの作品と同じぐらいに愛すべき作品が数多くある。結局私はこの特別展示の作品を全て三回見た。

順路に沿って最初の作品から最後の作品までをゆっくり眺め、最終地点から順路を逆に辿ってスタート地点に戻った。そこからまた順路に沿って出口に向かっていった。

モネの作品を眺めていると、美しい音楽が本当に聞こえてきそうだった。偶然にも同じファーストネームのクロード・ドビュッシーの音楽が聞こえてくるかのようだった。

それぐらいにモネの絵画は音楽的であった。モネの絵画作品に喚起される音楽的なものを曲にしたいと心底思った。

また、モネの思想や生涯をより知りたいという思いから、特別展示の画集とモネに関するDVDを後ほどショップで購入した。今もカフェでモネの画集を眺めている。本当に美しい絵画作品ばかりだ。ロンドン:2018/6/22(金)16:57

No.1098: A Summer Festival

When I got up this morning, I felt that I was in a long summer vacation.

I have a feeling as I were always enjoying a summer festival. Groningen, 10:25, Wednesday, 8/1/2018

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