ロンドン滞在の二日目の朝を迎えた。フローニンゲンで生活をしていたここ数日は早朝の四時半に目覚めることが多かった。
ロンドンとフローニンゲンの間には時差が一時間ほどあり、今朝も四時半に一度目が覚めた。今宿泊しているホテルはロンドン市内の主要な駅の一つであるキングス・クロス・セント・パンクラス駅からほど近くにある。
確かに昼間は一通りが多く賑やかな場所なのだが、昨夜はとても静かであり、今朝もとても静かだと感じている。
四時半に目を覚ましてから、五時過ぎまでベッドの上で何かをぼんやりと考えていた。その際にも辺りはとても静かであり、鳥たちの鳴き声も聞こえてこなかった。
今は午前五時半を過ぎ、少しずつ小鳥の鳴き声が聞こえ始めてきた。フローニンゲンで毎日聞いている小鳥の鳴き声と少しばかり異なる印象を受ける。
異なる種類の鳥だろうか。早朝にベッドの上でぼんやりと考えていたことの内容はあまり覚えていない。
その時は夢と覚醒意識の間に位置するような意識状態にいたため、瞑想的な意識状態で芽生える固有の思考だったと言っていいかもしれない。昨夜はぐっすり眠ることができ、二日目の観光をするにあたって万全の心身の状態だと言える。
初日に自分の内側に流れ込んできた諸々の感覚を今日から少しずつ言葉にしておきたいと思う。今日の行動計画について改めて書き留めておこうと思ったその瞬間、私はふと、今宿泊しているホテルに以前泊まったことがあるような気がした。
ロンドン市内に宿泊することは実際には初めてであるから、そのようなことはないはずだ。だが、私はどこかこのホテルには以前泊まったことがあるという感覚がしたのである。
どこか見覚えるのある部屋だ。「あぁ、いつかの夢の中で宿泊していたホテルかもしれない」ということをふと思った。
部屋の作り、部屋の窓から見える古風なレンガ造りの家々。狭い道路と路地裏のなんとも言えない雰囲気。
それらのどれを取っても見覚えがあるのは、いつかの夢の中で宿泊していたホテルと瓜二つだからだと思った。そうした不思議な既視感が突如やってきた。
ロンドン滞在の二日目は、主に大英博物館をゆっくり巡ろうと思う。大英博物館には数日後にまた訪れる計画でいるため、今日は博物館の全体を掴み、思わず足を止めたくなるような作品を中心に見ていくことにする。
昨日訪れた王立音楽院の博物館にせよ、明日訪れるナショナル・ギャラリーにせよ、大英博物館も無料で入館できることは有り難い。英国が芸術を重んじていることの表れだろうか。
いずれにせよ、それらの博物館は英国政府からの支援の恩恵を受けていることは間違い無いだろう。美術館や博物館をゆっくり巡ることを旅の一つの目的にしている私にとっては、優れた美術館や博物館に無料で入館できることは非常に有り難い。
今日の昼食は大英博物館内のカフェかレストランで摂ろうと思う。昼食を摂ってひと休憩をしてから再び館内を巡る。
夕方まで芸術鑑賞をしたら、その足で大英図書館に向かいたい。大英図書館の中でゆっくりと今日の振り返りでもしようと思う。
小鳥の鳴き声が徐々に大きくなり始めた。目の前の通りを見ると、まだ道行く人はほとんどいない。早朝の四時半からすでに辺りは明るかったが、ロンドンの街が真に目覚めるのはこれからのようだ。ロンドン:2018/6/21(木)06:00
No.1089: Greatness of Nature
Nature is really extraordinary and august.
It gives us both peace and vivacity.
What are we giving back to nature? Groningen, 08:54, Thursday, 7/26/2018