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2680. ルター教会での演奏会


初夏の爽やかな風がフローニンゲンの街を駆け抜けていく。時がそれを追いかけるように走っていく。

今日も気がつけば夕方の六時を迎えた。先ほど、街の中心部にあるルター教会で開催されたバッハのアンサルブルコンサートを聴きに行った。

私はその教会を別の教会と誤解しており、コンサートの10分前まで別の教会にいた。フローニンゲンの街で有名なのはマルティニ教会であり、市場を挟んで反対側にある教会も大きなものであり、私はそこをルター教会だと勘違いしていた。

教会の中に入ってみると、確かにそこでもコンサートが行われるようであり、私は係員らしき人に質問をした。「ここは以前教会だった場所です。今日はここで無料コンサートがあります」とその係員は述べた。

その回答を聞いた時、ルター教会は今でも教会のはずであり、過去形にされるのはおかしいと思った。また、今回のコンサートは無料のものではなく、プロによる有料の演奏のはずだった。

その教会の中に入ってみると、数多くの椅子が綺麗に並べられており、楽器の準備も万端のようだった。ふと演奏者たちが座る方向を眺めてみると、スクリーンが下がっており、そこにアンネ・フランクが映し出されていた。

どうやらアンネ・フランクを追悼しての演奏会か、誕生日を祝う演奏会が無料で行われるらしかった。これは私が参加しようと思っていたコンサートではないとその時にすぐに気づいた。

確かにアンネ・フランクに関するコンサートにも関心があったが、私は急いで携帯の地図をそこで初めて確認した。すると、確かに近いのだがルター教会は別の場所にあることにようやく気付いた。

私はそこから小走りをしてルター教会に向かった。演奏開始の二分前に教会に到着し、そこでチケットを購入して席に着いた。席に着いて数十秒してコンサートが始まった。

今日はとても涼しかったのだが、小走りしたせいもあって、額に汗がにじんでいた。その汗を少しばかり拭うとコンサートが本格的に始まっていった。教会に到着するのが遅かったため、私は音楽に集中するよりもまず先に、教会内のステンドグラスなどを眺めていた。

今回はパイプオルガンのコンサートではなく、アンサルブルコンサートである。途中に休憩を挟み、合計で二時間ほどのコンサートであった。

演奏の最中、私は特に数名の歌い手たちに注目をしていた。声の質や大きさにとりわけ意識を集中させていた。演奏の最中には視覚情報が邪魔になることもあったため、目を閉じて静かに演奏を聴いると、随分と色々な発見があった。

休憩を挟んで二時間のコンサートは本当にあっという間に過ぎ去っていった。演奏の最中に私の意識は黙想的になり、音楽に身を委ねながらも、あれこれと考え事をしていた。

それらの考え事はこうしたコンサートに参加しなければ生まれないようなものばかりであった。それらについては今後折を見て書き留めることになるだろう。

今回初めてルター教会に足を運んだが、小さいながらも落ち着きがあり、また足を運びたいと思わせるような教会であった。休憩中に幾つかパンフレットをもらい、調べてみると、毎月の多くの土日に演奏会が開かれていることがわかった。

フローニンゲンにはマルティニ教会を含め、その他にも幾つか教会があり、各教会で週末には演奏会が行われているようだ。フローニンゲンで生活する三年目は積極的に教会に足を運び、週末の演奏会に参加したいと思う。

次回ルター教会に訪れるのは、7/15(日)15時からのバロック時代のオルガンコンサートに参加したい。今日のコンサート体験についてはまた改めて書き留めたいと思う。とりあえず忘れずに先ほどの体験を書き留めておこうと思ってこの日記を書いた。フローニンゲン:2018/6/10(日)18:15 

No.1061: Water Spirits

A new day began. The hours in the morning in Groningen have a very tranquil atmosphere.

I feel as if water spirits came from somewhere. Groningen, 07:18, Thursday, 7/12/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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