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2645. 存在の変容と関心の変容


曇った空の下、列車が着実にフローニンゲンに向かって進んで行く。先ほどユトレヒト駅を出発し、列車は順調にフローニンゲンに向かっている。

アムステルダムからユトレヒトまでの列車の中、そして今も過去の日記の編集に時間を充てている。編集が少し落ち着いたので、今列車の二階席から窓の外の景色をぼんやりと眺めている。

オランダの景色は本当にのどかだ。今日は気温が低く、あいにくの曇り空だ。

列車の中にいるのは名前の知らぬ乗客たちである。窓の外を眺めると、名前の知らぬ無数の植物たちの顔が見える。

フローニンゲンに到着するのはあと一時間ほどだろう。フローニンゲン駅に到着したら、帰りに行きつけのチーズ屋に立ち寄り、チーズとナッツ類を購入しようと思う。

その後自宅に到着したら、その足で近所のスーパーに行き、一週間分のカレーの材料を調達する。夕方からカレーを作り、その他の時間は作曲実践と作曲理論の学習に時間を充てたいと思う。

フローニンゲンに戻ってきてからの生活はまた新たなものになるだろうという確信がある。人生の新たなフェーズがようやく今始まろうとしている。

午後から作曲実践に多くの時間を充てていこうと思うが、六月末にロンドンで行われる学会への参加をキャンセルすることを忘れないようにしたい。六月末の学会でも発表する機会を得ることができたが、それは論文セクションではなく、ポスターセクションであり、キャンセルをしても全く問題はないだろう。

学会に参加することはもう完全に時間の無駄だと思うようになった。とはいえ、六月末にロンドンを訪れることは変更しない。

学会には参加しないが、その代わりに大英博物館や音楽関係の博物館を訪れる。もう科学的な研究をする意欲はほとんどないのであるから学会に参加する意味はなく、今日の夜に学会のキャンセルを済ませる。

自分の関心が科学的な研究をすることに向かわなくなったこと。それはとても幸運なことである。

自分の内面世界が一つまた深まったことをここに見てとる。内面の変容と関心の変容は同時に起こる。しかも内面の変容が急激なものであればあるほど、関心もまた急激に変容するのだと思う。

欧州での三年目の生活が新たに始まるというのはこのような意味を持っていたのだということを今初めて知る。ズヴォレの駅で列車を乗り換え、フローニンゲンまであと一時間ほどとなった。ズヴォレ近郊:2018/6/2(土)11:48 

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