国際ジャン・ピアジェ学会の初日が終了した。今日は午前九時から夜の七時まで終日にわたって様々な学者の発表を聞いた。
どの発表も非常に中身が濃く、初日の学会が充実していたのは確かだが、後半はもう自分の認知的積載量(cognitive load)が限界に来ていたように思う。明日はいよいよ自分の発表があるため、ホテルに戻ってきてからも発表に向けた準備をしていた。準備が長引いたため、時刻はすでに夜の十時半を迎えてしまった
普段であればとっくに就寝している時間帯だが、今日の学会についての印象を走り書きでもいいので書き留めておく。今日の学会の中で最も感銘を受けたのは、一同を集めた大会議室で行われた最初のプレンゼンテーションである。
それは、カート・フィッシャー教授の最良の協働研究者の一人であったポール・ヴァン・ギアート教授によって行われたものだ。かれこれ今から五年前に、フィッシャー教授の研究室を訪れ、その後に様々な大学の研究者について教えてもらう中でヴァン・ギアート教授を紹介してもらったことを懐かしく思う。
フィッシャー教授からの紹介を受けて、私はすぐにヴァン・ギアート教授にメールを送り、残念ながらちょうどその年にすでに引退をしていたが、昨年お世話になったサスキア・クネン教授を紹介していただいた。その縁があって私は今フローニンゲン大学にいる。
ヴァン・ギアート教授が執筆した書籍と論文はほぼ全て読んでいると言っても過言ではなく、過去にも何度かメールでやり取りをさせていただいていたのだが、実は実際に会うのは今日が初めてであった。
ちょうど大会議室に入室した時、昨年履修したコースでお世話になったマライン・ヴァン・ダイク教授と出会い、彼女は「ポールはカリスマよ」と述べていた。実際にヴァン・ギアート教授の発表を聞いてみると、本当に人を惹きつけるような発表の仕方であり、ユーモアを交えながら実に興味深い内容を発表してくださった。
私は話を聞きながら思い付いたことを手元のノートにいくつも殴り書きでメモしていた。その中で話の内容と全く関係ないが、「ヴァン・ギアート教授は生粋の科学者であり、生粋の哲学者でもある」というメモを書き留めていたことに今気づいた。
ヴァン・ギアート教授の発表を私が面白く感じていたのは科学と哲学の両側面があったからに違いない。私は片方しか含まれていないような発表にあまり関心を持つことができないことを改めて知った。
ヴァン・ギアート教授の発表が終わってからは、小さな会議室に分かれて様々な学者が発表する形式となった。私はヴァン・ギアート教授の発表の後に話しかけに行こうか迷ったが、その時は話しかけることを止めた。
教授に話しかけることが躊躇われることは滅多にないのだが、どこか畏れ多いような気がしていた。その後ある分科会にヴァン・ギアート教授も顔を出しており、その分科会が終わった後に、この機会を逃すまいとヴァン・ギアート教授に話しかけることにした。
単刀直入に述べると、ヴァン・ギアート教授に話しかけて本当に良かったと思う。彼がなぜ多くの研究者に慕われているのかがはっきりとわかった。
研究者としての力量だけではなく、人柄が本当に素晴らしかった。私は四年前にあれこれとメールでやり取りをさせてもらったこと、クネン教授を紹介していただいたことのお礼を述べた。
四年越しにこのお礼を述べることができたことも私にとってはとても大切なことであった。ヴァン・ギアート教授の発表と彼の人柄については他にも書き留めておきたいことがたくさんあるが、もう時刻が時刻だけにまた機会を見つけて書き記したいと思う。アムステルダム:2018/5/31(木)22:47
No.1050: Running Stars
I was thinking about the movement of stars; they are moving at rapid speed.
What seems static can be dynamic in reality. Groningen, 08:55, Friday, 7/6/2018