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2605. 作曲実践における新たな習慣と時間を超越するような曲に向けて


今日も一日が終わりに差し掛かっている。昨日と同様に、今日もあっという間に時間が過ぎた。それも非常に濃密な時間感覚を持ってだ。

時刻は夜の八時半を迎えたが、外はまだまだ明るい。もうしばらくすると、太陽が一番長く出る時期に差し掛かるのではないかと思う。

ゆっくりと暮れ行く夕日を眺めながら、今日の振り返りを行いたい。今日は昼食後に作曲実践を行った。

学術論文の執筆に目処がついたため、幸運にも自由な探究時間と作曲に充てるだけの十分な時間がある。欧州の三年目は、読みたい本を読みたいだけ読み、書きたいだけ文章を書き、作りたいだけ曲を作るような生活を送る。

そしてそれは欧州での三年目だけではなく、それ以降にも永続して行われるような形にしたい。今後の人生は日々をそのように送る。そのように送ることを許さないものからは離れていくことにする。

今日はいつものようにバッハに範を求めて曲を作った。今日から少しばかり工夫を凝らし始めた。

参考にする曲を決めたら、まずはその曲の楽譜を目で追いながら注意深く聴く。楽譜を目で追うことによって初めて見えてくるものや感じられるものがあることは以前に述べた通りだ。

何回かそのようにして曲を聴いたら、楽譜から一旦離れ、引き続き繰り返しその曲を聴く。その過程の中で喚起される内的感覚を楽譜の中にデッサンとして絵で表現することを今日から本格的に行い始めた。

これに対して明確な意図はなく、何かを期待しているわけでもない。それをする必然性のようなものを感じるだけだ。

あえて言うならば、ある曲が今の自分に引き起こす固有の感覚を形にしておきたいという意図がある。この実践を毎日続けていくことによって何が得られるのか、あるいは何も得られないのかはわからないことであり、それほど重要なことではない。

とにかく、自分の内側で形になろうとするものを形にしていくことだけが重要になる。形を求めるものに形を与えること。あえて言えばそれが究極的な目的だ。

曲を聴きながら純粋に知覚された内的感覚、あるいは内的ビジョンとしてのイマージュを楽譜にデッサンとして描いた後に作曲を始めることにした。そのようにしてバッハの曲を参考にして一曲作った後に、今度は自分で作った曲を繰り返し聴き、ここでも再び純粋に知覚された内的感覚を今度は作曲ノートにデッサンする。そのようなことが習慣になりつつある。

午前中に音楽理論に関する書籍を読み進めていると、古典的な作曲形式である、問いの提示による解決というプロセスの中にカタルシスをより明瞭にもたらすにはどうしたらいいのかを考えていた。端的には、提示した問いを解決する時に何かしらの治癒的作用や変容作用をもたらす仕掛けを埋め込むことはできないかと考えていた。

いくつも突発的なアイデアが思いつき、例えば、あえて問いは混沌としたものを作り、そこに凝縮された秩序を生み出すことによって感情的・精神的なカタルシスを引き起こすことはできないかと考えていた。

自然言語に習熟し、習熟した技術を持って文章空間を構築することによって意識に治癒と変容をもたらすことが可能なように、音楽言語に習熟すれば同様のことが可能になるのではないかという考えを持っている。それは期待であり、同時に仮説だ。

最後に、以前から関心のあるテーマとして、「曲は時間に埋め込まれている」というものがある。作曲をする際に、パソコン上のソフトを立ち上げ、最初に楽譜を新しく作り、そこではまず時間スケールを決める必要がある。

もちろん後になっても時間スケールを決めることはできるが、音楽は時間という概念と密接に関係していることがわかる。曲を作り始めると、曲は楽譜の左から右へと進行していく。

その進行は時間の進行に他ならない。そのように考えてみると、曲とは本当に時間に埋め込まれたものなのだと知る。

一方で、私がさらに関心があるのは、曲は不可避的に時間に埋め込まれたものだが、生み出された曲が時間を超越していくかのような感覚を引き起こすためにはどのような条件が必要なのかという点である。言い換えると、時間に埋め込まれた曲を時間から解放させる手立ては何かないか?ということだ。

時間に埋め込まれた時間を超越するような曲。そのような曲をどのようにすれば作ることができるのかを今後長い時間をかけて考えていきたい。フローニンゲン:2018/5/23(水)21:01

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