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2497. 長い冬の時代の終わりに思うこと


書斎の窓から見える街路樹も随分と緑豊かになってきた。あの長い冬を耐え、今こうして緑に色づいた木々を眺めていると、感慨深い気持ちが自然と湧き上がる。

五月を迎えた今でさえ暖房をつけていることからも、まだ冬の余韻が残っていることがわかるが、緑に色づいた木々は冬の終わりを静かに告げている。それにしても随分と長い冬であった。

昨年の十月あたりから冷え込んできたことを考えると、この地においては一年間の半分が冬だと言っても過言ではないかもしれない。だが、こうした長い冬の時間がどれほど自分の人生を深いものにしてくれたか分からない。

辛抱強く日々を生きていくこと、その中に宿る固有の充実感を感じながらこの七ヶ月ほどの冬の時期を過ごしてきた。人生における冬の季節が春への準備の時期であるならば、私はこれ以上にないほどの準備をすることができたように思う。

そう考えてみると、なお一層のこと、あの厳粛な冬の時代がどれほど大切だったかを改めて知る。そうした冬をこの地で二回ほど過ごした。今年は三回目を経験することになるだろう。

冬の過酷さに対する怯えや恐怖がまだ自分の内側にあることは確かだ。しかしながら、それらも歳を重ねるごとに変貌を遂げ始めている。

怯えや恐怖の感情を持っていようがいまいが、それは今年もまたやってくるのだ。そして、そうした過酷な季節こそが、自己を真に深めてくれることを理解し、そうした季節がやってくることを感謝の念で迎え入れる必要があるだろう。

今から四年前に、ロサンゼルスでお世話になっていた合気道の師から、「北に行くといい」という言葉を頂いたのを偶然のきっかけとして、北欧に近いこの土地で三年ほどの生活を送ることになった。師の言う通り、北の過酷な生活は私を随分と鍛えてくれたように思う。

それは単純に心身をより強靭なものに育むことにつながったことを意味しているのではなく、人生そのものが鍛錬され、その深みが増していったように思うのだ。また数ヶ月後には新たな冬の時期がやってくる。

三回目の冬を乗り越えた時、そこにはどのような人生が開けてくるだろうか。きっと今よりも深く充実した日々がそこにあるに違いない。

この瞬間の充実感が最上のものであることは間違いないが、それは深まっていくのだ。であれば、この冬を乗り越えた後の日々に感じる充実感が今よりも深いものであると期待しても問題はないだろう。この人生において開かれてくるものに全てを委ねたいと思う。

今日は午前中に過去の日記を少しばかり編集したい。この編集作業も着実に進行している。

おそらく論文の提出を終えた六月の中旬からは、より一層この編集作業を進めていくことができるだろう。過去の日記を少しばかり編集したら、現在取り組んでいる研究に関する論文を二本ほど読みたい。

それらは共に、非線形ダイナミクスの分析手法に関するものであり、昨年に一度目を通している。改めてそれらの論文を読むことによって、自分が研究で用いている分析手法について理解をより深めたいと思う。

二本の論文を読み終えたら、ブダペストのバルトーク博物館で購入した小冊子を全て読み通したいと思う。この小冊子はバルトークの生涯と彼の作品の背景を理解する上で非常に大切な資料である。

昼食後に作曲実践を行い、午後からは少しばかり研究に着手しようと思う。昨日の段階では今日は研究から意図的に離れようと思っていたが、離れたくはないという気持ちの方が勝ってしまっている。

昨日にせっかく研究アドバイザーのミヒャエル・ツショル教授とのミーティングがあったので、その流れを受けて今日も研究を少しだけ前に進めたいと思う。研究を二、三時間行った後に時間があれば、森有正先生の日記を読み進めていく。

今日はそれらの事柄に従事したいと思う。読み、書き、作るという三位一体の一日を今日も送る。フローニンゲン:2018/5/1(火)07:53

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