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2450. 【中欧旅行記】中欧旅行の最後の朝に


いよいよブダペストを出発する朝を迎えた。滞在期間中と全く同じように、今朝も朝日がブダペストの街に降り注いでいる。

一切風がなく、一切の雲もない。晴れ渡る青空だけが見える。

時刻は早朝の六時を迎えた。季節がすっかり春になり、この土地の気温が初夏の様相を呈しているためか、この時間帯はすでに明るい。

フローニンゲンの朝はどうだろうかと想像する。フローニンゲンでもこの時間帯は明るいだろうか。中欧に滞在している間にフローニンゲンの日の出もすっかり早くなったのではないかと期待している。

今日はいよいよフローニンゲンに戻り、新たな生活が明日から始まる。ワルシャワで連絡を受けたように、この秋から米国に戻る話は立ち消え、欧州の土地でもう一年ほど生活をすることになった。

これもまた人生の流れの何らかの表れなのだろう。欧州で暮らす三年目は、とにかく準備の期間としたい。

今後の探究をより深めていくための徹底した準備の期間と位置付けたい。裾野が広く強固な下地を作っていく。それを構築するために欧州にもう一年残るのだ。

そうした期間を持てたことが今となっては喜ばしい。本当にまたここから新たに始めようと思う。自分の探究活動はまだ一切何も始まっておらず、自分の仕事などまだ一切行われていないのだから。

中欧に旅行をしている期間、印象に残る夢をほとんど見なかった。だが、今朝は少しばかり印象に残る夢を見ていた。

夢の中で私は、無数のポールが立ち並ぶ、巨大かつ人工的な空間の中にいた。そこはどこか工場のように見える。

そこで私は、ある有名なサッカー選手ともう一人の見知らぬ人と共にいた。会話を交わすよりも先に、その工場らしき場所に奇妙な箱型の生き物が現れた。

それはロボットのようでいて生物のようであり、生物と無生物の中間的な存在だった。その存在は人間の言葉を話すことができるのと同時に、生命を維持するためには人間の血が必要になる。

その生物の動きは極めてゆっくりとしたものであり、何か人間の言葉を話しながらこちらに近づいてくる。私たちはその存在を不気味に思い、その場から逃げ出した。

工場の中を走りながら逃げていると、その生物はゆっくりとこちらに向かってくる。その動きは速くはないのだが、なぜだか先ほど私の横にいた見知らぬ人はその生物に捕まり、血を吸い取られ始めた。

すると、その場にいた有名なサッカー選手が後ろからその生物を蹴り倒し、その生物は地面にうつ伏せになった。見知らぬ人は無事に助かり、サッカー選手にお礼を述べて再び逃げ出した。

生物か無生物なのかわからない存在は再び起き上がり、今度はサッカー選手の方にゆっくりと向かい始めた。そのサッカー選手は大胆にも自分の血を一回吸わせてみるという行為に出た。

その巨大な存在にサッカー選手は捕まり、血を吸われ始めたが、サッカー選手はすぐさまそれを払いのけ、再び逃げ出した。工場のような無機質な空間で逃げ回る三人の人間とそれを追いかける不気味な存在。

私たち三人は夢の中で工場内を逃げ回ることを続けていた。そこから脱出できぬまま、目が覚めた。

この夢は一体何を象徴しているのだろか。ブダペストを出発する日の朝に、この夢を見たことの深層的な意味は何なのだろうか。

中欧旅行の最後の日にこうした夢を見たことは大きな謎を残す。今から荷造りを済ませ、それが終わって少し書籍を読んだら朝食を摂りにレストランに向かう。

八時過ぎにホテルを出発し、九時半にフランツ・リスト空港に到着する予定だ。すぐにセキュリティーをくぐり抜け、飛行機の搭乗時間までラウンジで過去の日記を編集したいと思う。

中欧に出発する時の高揚感と同様に、再びフローニンゲンに戻って探究活動を新たに始めることに対する高揚感を今感じている。ブダペスト:2018/4/21(土)06:36 

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