米国の大学院と条件が合わず、もう一年欧州に残ることになった意味について考えていた。確かに米国の大学院で研究をしたい事柄があったため、先方の大学院から今回の件の連絡を受けた時は残念であったが、欧州でもう一年生活できることの幸運を思った。
今このようにポーランドに気軽に滞在することができているのも、やはり自分が欧州にいるからだろう。私にとって欧州で生活することの一つの利点は、未だ足を運んでいない欧州の様々な国や地域を自由に訪れることができることだ。
米国で再度生活をする話が立ち消えとなってから、今年一年間の欧州での過ごし方について少しばかり考えを巡らせていた。まさかワルシャワでそうしたことに想いを馳せることになるとは思ってもいなかったが、せっかくもう一年欧州にいることができるのであるから、今年一年もまた充実したものにしたい。
あと三ヶ月後にはフローニンゲン大学での二つ目のプログラムが完全に終了し、そこから丸一年は自由な時間となる。その自由な時間において、いくつかの日本企業との協働プロジェクトを進めることと自らの探究を進めていくことの二つを大切にしたい。
前者に関しては、これまでは大学院での授業や研究と並行していたため、時に過密なスケジュールを送る日々もあったが、今年からはそうしたことがなくなる。ただし、協働プロジェクトを無理に多く引き受けるのではなく、昨年からお世話になっている方々との協働を中心にして、あまり多くの案件に関与しないように気をつける。
その代わりに、今年一年間は自分の関心テーマに沿った探究を旺盛に進めていきたいと思う。どこか今年一年間もまた、自分にとっての節目のような年になるのではないかという思いがある。
大学院に所属するのではなく、あえて再度自らの探究事項を自分なりに深めていく機会を得ることができたことはやはり幸運と言わざるをえないだろう。もちろん、欧州での三年目においても、引き続きフローニンゲン大学の教授たちとは関係を持ち、特に現在の研究アドバイザーであるミヒャエル・ツショル教授とは二つ目の査読論文を執筆していくことも計画している。
完全に在野というわけでもなく、完全に大学院に所属しているというわけでもなく、その中間に自己を置きながら今年一年間の学術探究を行っていきたい。大学で講義に出席する必要がなくなり、当然ながら試験を受ける必要などもなくなったため、ここからまた自分の関心事項にのめり込んだ形の探究が実現されていくだろう。
おそらくこの一年間は、ある意味私の探究活動における充電期間かつこれまでの学びを咀嚼していく重要な期間になるだろう。大学関係の事柄に縛られずに欧州でもう一年間過ごすことができるというのは、何も協働プロジェクトを進めることや自由な学術探究を進めていくことだけに有益なのではなく、やはり今の自分の日々を豊かにしてくれる作曲実践においても有益だと確信している。
この一年間は、作曲技術の基盤をさらに固めていきたいと思う。作曲技術の理論的な学習をさらに本格的に進めるのと同時に、作曲実践に関してもこれまで以上に真剣に取り組んでいきたいと思う。
そのようなことを考えてみると、欧州で三年間過ごせるということがどれだけ恵まれたことかに気づく。欧州で過ごす三年目は、とにかく諸々の事柄をこれまで以上に深めることに強く意識を当てたいと思う。
さて、そろそろシャワーを浴び、ワルシャワでの三日目の活動に向けた準備を始めたい。今日もまた充実した一日になると確信している。ワルシャワ:2018/4/15(日)07:47