top of page

2418. 【中欧旅行記】ワルシャワ滞在の二日目の朝に


ワルシャワ滞在の二日目が静かに幕を開けた。昨日はフローニンゲンからワルシャワに向かうため、早朝の四時に起床した。今朝は普段と同じリズムに戻し、五時半に起床した。

とはいえ、昨夜は旅の興奮からか熟睡することはできず、絶えず頭が冴えているような状態であった。決して宿泊先のホテルに問題があるわけではなく、むしろ逆にホテルは清潔かつとても静かだ。

宿泊しているホテルは立地が良く、自室からはワルシャワの街を一望できる。昨夜気付いたのは、近くに大型のサッカースタジアムか何かがあることだった。

そのスタジアムには工夫が施されており、巨大なスタジアムの周囲の壁に大きな文字が光り輝きながら浮かび上がるようになっていた。それらの文字はポーランド語であったから何と書かれていたのかわからないが、非常に目立つ建築物だと思った。

早朝の六時前を迎えるワルシャワの街はとても静かだ。今、朝日が遠くの空の雲間から顔を出し、これからワルシャワ全体の街を照らし出そうとしている。

朝日の見える方角は少しばかり霧がかかっているようであり、スタジアム全体がすっぽりと霧に覆われている。広がる青空と輝きを増す朝日を見ていると、「この世界にこうしてある」ということだけで有り難さを感じる。ワルシャワでの二日目が今静かに始まろうとしている。

昨日、私はワルシャワの第一印象をどことなく侘しく、そして哀しみが混じった街だと表現していた。その理由が少しずつ明らかになってきた。

こうした感覚を引き起こす背景には、その街に堆積された歴史が常に鍵を握っている。少しばかりワルシャワの歴史を調べてみると、この街の辛い歴史が明らかになってきたのである。

直近の歴史で言えば、第二次世界大戦の惨禍を忘れることはできない。第二次世界大戦の際に、ワルシャワは大きな被害を受け、街の八割以上が破壊されてしまったそうだ。

戦争からもう70年ほどが経とうというのに、どこか当時に受けた傷跡が今も残っているように思える。これはもちろん、街全体の建物の様子から分かることでもあり、同時にこの街を取り巻く集合意識にどこかまだ治癒されていない傷のようなものがあるように思える。

自室からワルシャワ全体を眺めてみると、古びた建物はあるのだが、それでいて歴史的建造物と思えるようなものはそれほど見当たらない。おそらく、それらは戦争によって破壊されてしまったのだろう。

また、この国の経済もそれほど発展しているとは思えない。アムステルダムからワルシャワへ移動する際に、私はポーランド航空を活用した。

機内の中で私は、何気なく備え付けの雑誌に目を通した。そこではポーランドを含め、いくつかの国々の経済成長に関する特集が組まれていた。

確かにポーランドは近年少しずつ経済成長を遂げてきているようだが、経済のレベルは西欧諸国などと比べるとやはり低いと言わざるをえない。経済の発展もまだまだであるためか、ワルシャワの街にも現代的な建物は思っていた以上に少ない。

実際に、今私が宿泊しているホテルと同じぐらいの高さの建物はほとんど見当たらない。スタジアムの方向に何か一つ大きな建物があるぐらいだ。

ワルシャワの歴史と文化に関する理解を深める必要がある、と改めて思う。この街の歴史や文化をより深く理解すれば、この街が発している何とも言えない寂しさの感覚の正体が少しずつ明らかになっていくだろう。

明日にワルシャワ国立美術館を訪れることによって、ワルシャワの芸術文化を今より少しでも理解し、明後日にポーランド・ユダヤ人歴史博物館を訪れることによって、あの悲惨な戦争の歴史とそれがワルシャワに与えた事柄について理解を得たいと思う。

ワルシャワで過ごす二日目が静かに始まりを告げている。ワルシャワ:2018/4/14(土)06:17

No.971: Serenity

Today is Saturday. Serenity is permeating in the city of Groningen.

I can almost see stairs to enlightenment inside of the placidity. Groningen, 08:26, Saturday, 5/5/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

bottom of page