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2390. 定量化基準の見直し


昨日は五時半に起床したが、今日の起床は六時半だった。一時間ほど起床時間がゆっくりとなり、目を覚ましてみると、辺りはすでに明るくなり始めていた。書斎の窓から見える景色は薄い霧に包まれている。

数日前の天気予報では、今日からしばらくの間晴れの日が続く予定だったのだが、今朝方予報を確認してみると、今日のみならず、ここから数日間は晴れの日がないようだ。実際に今日は午前中に少しばかり雨が降るそうだ。

天気そのものは優れないのだが、気温がようやく春らしくなってきた。確かにまだ一日の多くは暖房をつけるほどの気温であり、湯たんぽを使って寝ていたりしているが、随分と外気が暖かくなってきたことは確かである。

今週の金曜日からいよいよ中欧旅行が始まる。ワルシャワに四泊、ブダペストに四泊する小旅行である。両都市の天気予報を確認してみると、フローニンゲンよりも随分と天気が良く一安心だ。ワルシャワとブダペストでどのような出会いがあるのかは未知であるが、今回の旅もまた非常に意味のあるものになるだろうと予感している。

昨日は結局、随分と多くの時間を研究に充てた。今週の木曜日に行われる「デジタルラーニングと学習環境」の最終試験が終わり、中欧旅行を終えてから集中的に研究を進めていこうと思っていたのだが、少しばかり研究のことが気になり、昨日は随分と多くの時間を研究と共に過ごしていたように思う。

とりわけ、三つの定量化基準のうちの一つの基準を見直し、3000個ほどのデータポイントを持つ時系列データをもう一度作り直していた。三つ目の基準とは、対象とするMOOCの講義に関係する概念をリスト化し、各々のレクチャービデオの一つ一つのセンテンスがどれだけコースに関係した概念を内包しているかを定量化していくものである。

この時系列データを通じて、初回のレクチャービデオから最後のレクチャービデオを通して、コースに関連した概念がどのような変動性を持っているのかを明らかにすることを目的にしていた。得られた時系列データに対して、「トレンド除去変動解析」や「標準分散解析」を用いれば、変動性のフラクタル次元を特定することができる。

特定されたフラクタル次元と学習成果(例:レクチャーの完遂率、クイズやテストのスコア)を比較することが今回の研究の要点であった。しかしながら、「コースに関係する概念」をどのように抽出するかが問題であり、当初はコースの目的と各レクチャーのガイダンスに書かれている文章からボトムアップ的にコースに関連する概念を特定していった。

しかし、このやり方はどうしても恣意性を排除することができずにいた。例えば、「グラウンデッド・セオリー・アプローチ」を活用すれば、そうした恣意性を抑えながら概念リストが作れたのかもしれないが、今回の研究ではその方法を採用することなく、全く別の方法で三番目の定量化基準を作った。

「コースに関連した概念」という切り口から、「領域固有的概念」という切り口に変えることにし、後者であれば、今回研究対象のMOOCが取り扱う複雑性科学という領域が扱う重要な概念がすでに幾人かの研究者によって網羅的にリストアップされている。

一つは文献としてそうしたリストを見つけ、もう一つは複雑性科学の研究で非常に有名なサンタフェ研究所が公開している用語集を見つけた。それらの二つの資料を用いて、重なっている言葉を削除しながら包括的な概念リストを作るということを昨日まず行っていた。

そもそも、領域固有的概念に着目したのは、学習の目的の一つとして、対象とする領域の知識を獲得することがあるからである。また、そもそも発達を含め、学習というものがある特定の領域の中で行われていくという特性を考慮した時に、対象とするMOOCが持つ領域固有性に着目することは大切だと改めて思ったからである。

この概念リストを作った後に、早速そのリストを3000個のデータポイントに適用した。それまでの二つの定量化基準は全てRのプログラミングコードによって自動的に定量化できたのだが、今回のリストに関してはそれができなかった。

おそらく私がRにより習熟していれば、そうしたこともできたのだと思うが、リストとセンテンスを対応させる時に数々の問題が生じ、その問題を解決するようなコードをその瞬間に書ける自信がなかった。そうしたこともあり、3000個のデータポイントをマニュアルで定量化していった。

この作業に数時間の時間を要したが、無事に時系列データが完成した。今日は午前と午後に協働プロジェクトの仕事があるため、研究に時間を充てることはあまりできないだろうが、一時間ほど時間があれば、フラクタル次元を特定することと、簡単な統計分析を行っておきたいと思う。フローニンゲン:2018/4/9(月)07:24

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