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2348. この世界の傷


小鳥が甲高い鳴き声を上げ、今日も一日が終わりに向かっていることをそっと告げている。西の空を眺めると、夕日が美しく輝いているのが見える。

ちょうど雲と雲の隙間から、赤みを帯びた黄金色の光が差し込んでいる。小鳥の鳴き声は止むことを知らず、この夕日の輝きにまた別の色を添えている。

今日は午前中から学術論文を数多く読み、午後からは過去の日記の編集に時間を充てていた。そのおかげもあり、どちらも共に進み、とりわけ過去の日記の編集はいつも以上に多くの記事を読み返すことができた。

普段和書に接する機会がほとんどない私にとって、ゆっくりと読む日本語というのはもしかすると自分の過去の日記ぐらいしかないのではないかとふと思った。しかしこれは、自らの言葉を育んでいく上で肯定的な働きをしているように思う。

確かに、先人からの叡知に触れながら自らの言葉を彫琢していく必要はあるが、私たちの言葉が絶えず自己組織化を行うという特徴を持っている都合上、自分の内側から産出された自らの言葉を振り返り、それを深めていくということが何よりも大切なように思う。

そうしたことを可能にしてくれているが、まさに自分の過去の日記を読み返し、それに対して追記や修正を加えるというものだ。現在ある工夫を施すことによって、2300以降の記事に関しては編集が滞ることがないようにしている。

今日は随分と編集作業を行ったが、残り1700弱の未編集記事がある。一見するとこの数は多いように思えるが、日々小さく編集を行っていけば、その数はそれほど大したことではないように思える。

これこそがまさに、日々の小さな積み重ねの偉大な力であり、尊さだと思う。

明日から四月に入ろうというにもかかわらず、相変わらず外は寒い。室内にいてもその寒さはこちらに忍び寄り、絶えず暖房を朝から晩までつけている状態が続く。

予報によれば、明日の最低気温はマイナス1度とのことである。春の戴冠が訪れるのを待ち焦がれているが、それは必ずやってくると私は信じている。あと少し、もう少しでその日がやってくるはずだ。

本日、昼食を摂り終えた直後に、あまり良い喩えではないかもしれないが、この世界はコンピューターの世界と同様に、小さなバグとそれが生み出す諸問題で溢れていることに気づかされた。小さなバグは傷と置き換えてもいいかもしれない。

そうした世界に生きる者として、自分がいかにこの世界に参画していくのかについて考えていた。私が日々従事していることから考えると、私は科学と哲学、そして芸術の力を借りながら、この世界に存在する無数の傷を見つけ、それを癒すことによって、この巨大な社会という生き物が健全な生命活動を維持できるように試みていく必要があると思わされた。

確かに、いくら部分に治癒を施したとしても、往々にしてそれが全体の治癒には至らないことを知っている。しかし、それでもこの世界に確かに存在している無数の傷を見つけ出し、それに治癒を施すことが自分に課せられた一つの役割であるように思えて仕方ない。

でなければ、このようなことに気づかないはずなのだ。そうではないだろうか。

沈みゆく夕日がどこか自分の背中をそっと支えている。フローニンゲン:2018/3/31(土)19:46  

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