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2333. 虚構と真実なるもの及び軟禁状態について

April 8, 2018

時刻は夕方の五時に近づきつつある。天気予報とは異なり、結局まだ雨が降っていない。

 

先ほどまでは時折顔を覗かせていた太陽もなりを潜めて、今はうっすらとした雲に覆われた空が広がっている。今日は起床時からこの時間帯にかけて、継続的に不可思議な意識状態にあるように思う。

 

日常の意識を超えた意識を持って日常を生きるということ。そのような形で今日という一日の時間の中に生き続けている自分がいる。

 

仮眠を終え、先ほどから今にかけて、福永武彦氏の小説を読んだ。『水中花』と『冥府』の二作を続けて読んだ。

 

130ページほどを一気に読み進め、気づけば小説世界からこちらの世界に戻ってきていた。はて、小説世界というものは何なのだろうか?ということを考える。

 

福永氏の作品世界の中で私は確かに生きていたのだ、という強烈な実感がある。それはこの世界で生きること以上のありありとした生の実感を伴っていた。

 

小説世界というのは虚構の世界なのでは決してない。そんなことを思う。仮にそこで展開されている物語それ自体が虚構の産物だとしても、その物語を読むことによっていざなわれる世界でのあのありありとした実感は現実感に満たされている。

 

いや、そもそも小説で展開される物語というものが虚構の産物であるとみなすのもどこか乱暴のように思える。一人の生きた人間が生み出す創造物が真の虚構の産物になりうるのだろうか。

 

虚構でないものが即真実なるものであるとは限らず、真実でないものが即虚構なるものであるとは限らない。虚構と真実なるものとの区別は曖昧であり、それらを明確に区別することは不可能なのではないかと思う。

 

今この瞬間に感じている不可思議な意識状態は、もしかすると虚構と真実なるものの中間地点に自分がいることを示唆しているのかもしれない。

 

雨を待っている自分がいる。今日は本当にこのまま雨が降らないのだろうか。

 

欧州でのこの二年間を振り返ってみると、ふと自分が軟禁状態にあることに気づく。こうした状態は意図的に生成されたものであり、なおかつそれを望んでいる自分がいることは間違いない。

 

外に出かけることは最小限であり、極力自宅から外に出ないようにしている。よほどのことがあれば大学に行き、人に会う。そんな生活をこの二年間送ってきた。

 

いや振り返ってみると、似たような生活をこの10年ぐらい送っているかもしれない。こうしたあり方は欧米での生活に限ったことではなく、日本でも見られたことだったのだと改めて思う。

 

「軟禁」という言葉の意味を調べてみたところ、そこに肯定的な意味合いが含まれていることを初めて知った。辞書によれば、「身体の自由を認めながらも、外部との接触を制限すること」とある。

 

私が自らに課しているこうした生活態度は、身体の自由のみならず、精神の自由を認めた上での外部との接触制限なのだと思う。欧州に来てからこうした生活態度をより意識することによって、外部との接触を断てば断つだけ、自らの心身が解放されていくことに気づく。

 

そして何よりも大切なのが、外部との物理的な遮断が、精神的な次元においてこの世界への強い関与を私に促し始めたことだろう。こうした軟禁状態がこの先どれだけ続くのかはわからない。

 

だが、そうした状態が続けば続くほどに、私が行うこの世界への関与は増していくように思うのだ。

 

雨はまだ降らない。いつから降り始めるのだろうか。フローニンゲン:2018/3/27(火)17:16      

 

No.917:Research Progress

 

How lucky I was because it just started to rain once I came back to my apartment. 

 

I had a meeting with my thesis supervisor today. We talked about the progress of my research and next steps. 

 

Especially, his advice to encourage me to delve into the analyses I’ve done already was very helpful. 

 

Until the next meeting, I’ll examine the correlation between the metrics I chose. 

 

Then, I’ll combining two or three metrics for multiple regression analysis. 

 

So far, we decided not to expand the data analysis to examining leaners’ online comments. Groningen, 17:38, Wednesday, 4/4/2018

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