相変わらず今日は冴えない天気なのだが、そうした天気が一切意識に上らないほどに午前中の仕事は充実していた。何を行っていたかというと、あるクライアント企業さんのマネージャーの方々と対話をさせていただいていた。
それは形としては、こちらから提供する「コーチング」と呼ばれるものなのだが、本日の二名の方との対話がどれだけ私にとっても意義があったかは計り知れない。「対話」というものには何か特殊な力があるのだ。
探求的かつ自己開示的な対話には、対話の当事者双方の存在を深めていく力がある。今日もそれを実感していた。
人間発達を骨子にする形で、成長支援プログラムの開発、成長度合いの測定手法の開発など、成長支援を意図したコーチング以外にも多くの観点から日本企業と協働をさせていただいている。それらの全てを私は大切にしているが、今回のプロジェクトを経て、またコーチングの意義を見つめ直すことになった。
同時に、自分のコーチングに関する理解と技量についても再度冷静に見直すことを迫られたように思う。そうした中で、今日の対話の時間のように、貴重かつ尊い時間をクライアントの方と過ごせたことは本当に幸運である。
来季もこうした対話の時間を持てることはどれだけ有り難く、どれだけ自分を支えてくれることか。対話の持つ本質的な力と意義に感銘を受けたため、ここに記しておきたかった。
今日は午後からも、もう一件ほど対話の機会がある。それに向けて昼食後に改めて準備をしたい。
書斎の窓から外を眺めると、裸の街路樹が風に大きく揺られている。どうやら今日は風が強いようだ。
この瞬間には雨は降っていないが、薄い雲が空を覆っており、太陽は一切見えない。午後のどこかの時間帯で雨が散発的に降るようだ。
今朝方、郷愁の後に心が晴れ渡るような感覚に陥っていた。時々そうした感覚に襲われるのだが、今朝はまたこの感覚が現れた。物寂しさの中に潜む喜びの感情と表現したらいいだろうか、一抹の侘しさの感情が過ぎ去り、その後になんだか心が晴れるような気持ちになったのである。
午後からのセッションが終われば、朝一番にダウンロードした美学に関する論文を何本か読み進めていきたい。それらの論文を読むことに合わせて、作曲実践にも時間を十分に充てたいと思う。
今日の残りの時間は、美学探究と作曲実践に納得のいくまで取り組みたい。フローニンゲンの街の寒さは相変わらずだが、春はやがてやって来る。それを信じて今日の残りの時間を過ごしていく。フローニンゲン:2018/3/22(木)12:06