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2299. 船旅の価値と日欧の文化の深さ


またしてもぼんやりと船旅について考えている自分がいた。船に乗ってこの世界を旅するという思いにどうしてこれほどまでに駆り立てられているのかわからない。

それは衝動的というよりも、静かな情熱に満ちた促しである。昨日に一度、そして今日も船で世界をゆっくりと一周することについて思いを巡らせていた。

飛行機でもなく、列車でもなく、船でこの世界を移動することの魅力が徐々に自分の内側に現れてきた。これまでの私は、船旅の存在について知ってはいたが、それに憧れるようなことはほとんどなかった。

過去に辻邦生先生が執筆された日記を読んだ時、そこで描かれていた33日間の船旅の様子を非常に興味深く思ったものの、自分が船旅をすることに関しては関心はほとんどなかった。しかし、突如として船旅に関心を示し始めた自分が現れたのである。

船旅の持つ魅力とそれが持つ意味については改めて冷静に考えてみる必要があるだろう。どう考えても、この世界を移動する手段として船での移動は最も遅い。

もしかすると、私はその遅さの中に大切な意味と価値を見出しているのかもしれない。この有限な生をゆっくりと味わいながら進むこと。

有限であるから急ぐのではなく、有限である生があたかも止まってしまうかのように、生を充実感で満たしながらゆっくりと生きること。そうした生き方の鍵を船旅が持っているように思えてくる。

今からおよそ60年前に辻先生が日本からフランスに向けて33日間かけた船旅についての日記をまた読み返そうと思う。

昼食後の仕事がひと段落し、先ほどいつものように20分ほど仮眠を取っていた。大抵いつもは覚醒意識(グロス意識)から夢見の意識(サトル意識)または夢を見ない深い意識(コーザル意識)に移行するのだが、先ほどは思考が活性化しており、グロスの意識のまま20分が過ぎた。

仮眠中私の脳裏に浮かんでいたのは、個人と文化的堆積との関係であった。本当に私は、日本や欧米で生きて行くための出発地点に立ったにすぎないことを知る。

欧米で暮らしてきた年数は六年ほどであり、それは多くも少なくもない。今この瞬間に気づくことは、ようやく私は、日本の文化の深さや欧米文化の深さについてわかり始めたということである。

いや、正直なところ、私はまだ米国文化の深さについては全くわかっていないと言えるかもしれない。米国文化の深さに気づくことができるほどに、当時の私は成熟をしていなかった。

今、欧州での生活を通じて、欧州の文化の深さというものが巨大な伽藍のように目の前に立ち現れている。おそらく、欧州の文化の深さが気づけるところにまで自己が成熟を遂げ始めたことが起因としてあるだろう。

しかし、真に欧州の文化の深さを掴むには、全くもって今の自己の成熟度合いは不十分である。欧州の文化の高さまで自己を高めていく必要性が自らに課せられているのを実感する。

この点が仮眠中に脳裏をかすめていたことの一つだ。それに加えて、日本文化の深層的な深さについて理解し始めたのも、本当にごく最近になってからのように思う。

これはおそらく、自分の中でようやく日本の文化を客体化するということがなされたことを示唆しているように思える。日本の文化的堆積を理解するためには、ある意味文化を相対化する経験と自己の成熟が不可欠であったように思う。

一体、どれほどの日本人が自国の文化の深層的な深さを理解しているだろうか。その文化の高さの前に愕然とするような気持ちであったり、それに押しつぶされてしまうかのような感覚を持つ人は少ないのではないかと思う。

しかし、そうした感覚を持つというのは、その人が真に日本文化の高さや深さと相対峙するような成熟度に至ったことの表れなのではないかと思うに至っている。今の私は、欧州や日本の文化の深層的な深さというものが、過去何千年にもわたって幾多の人間が積み重ねてきたことから生まれたのだということが明確なものとなり、その重みを実感し始めているという段階にいる。

この世界で生きることの出発地点にようやく立ち始めたのかと思う次第である。バッハのゴルトベルク変奏曲が鳴り、仮眠から目覚めた。フローニンゲン:2018/3/20(火)15:53  

No.899: Spirituality and Music

I read the article: “A conceptual study of spirituality in selected writings of Émile Jaques-Dalcroze (2017).”

This article was quite insightful to me in that it expanded my view of music in terms of spirituality.

Also, it reminded me of the origin of my academic exploration, which involves human spirituality.

I realized that I would start to investigate philosophy of music from the perspective of spirituality.

If I could integrate developmental psychology and philosophy of music in my academic exploration, that would enrich my life. Groningen, 19:28, Tuesday, 3/27/2018

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