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2273. 発達現象のシミレーションに向けて


今日は夕食を食べ終えたら、作曲実践に取り掛かるのではなく、まずは生物学の書籍を少し眺めたいと思う。精読をするのではなく、あえて眺めるという表現を使った。

また、生物学の書籍というのも、これは数理モデリングの技法を学ぶためである。数ヶ月前にサスキア・クネン教授の論文を読んだ時に引用されていた生物学の書籍が大変素晴らしく、それは800ページを越す大著であるが、数理モデリングの技術を学ぶ上で非常に有益である。

本書で紹介されている数理モデリングの技法は、人間発達に関するモデリングを行う際にも非常に有益である。以前に本書を一読していたのだが、今日あえてもう一度全体の内容をさらっておきたいと思う。

本書の内容は、一回や二回読んだだけでは理解できず、自分の研究や実務に適用するという実践がなければ実用的な知識として定着しないことは確かだ。今後の研究や実務への応用に向けて、とりあえず今日はもう一度本書の全体観を捉え直す。

人間発達の研究に数理モデリングを活用することはまだまだ発展途上であるが、生物学の分野においてそれが進んでいることは私にとって朗報である。本書を眺めてみると、生命という複雑な現象を数理モデルとして記述し、そこから理論を構築したり、シミレーションを行うことが実際に行われていることを目の当たりにする。

数理モデリングに関しては、これから本格的に学びを深めていく必要があるが、その可能性には大いに期待している。一方で、モデルというのは実際の現象の近似であるから、モデルと実際の対象とを混同してはならないことにも注意をしなければならない。

対象とする発達現象の本質に着目し、その本質が損なわれない形で他の諸々の要素を削ぎ落としていくことがモデリングの要諦である。言い換えると、本質の抽出と捨象がモデリングの核にある。

今後研究や実務で人間の発達現象を数理モデルとして記述していく際には、観察事象の本質を見抜く眼を養っていかなければならないだろうし、既存の理論についてのさらに深い理解も求められるだろう。

前者は、自ら発達現象の本質を抽出してモデルを構築する際に大切となり、後者はすでにある理論モデルを応用する形で数理モデルを構築していく際に大切となる。

とかく人間発達の研究においては、「理論モデル」と呼ばれるメタファーが数多く存在しており、その多くは未だ実証的に検証されていないことが多い。こうした既存の理論モデルを数理モデルに変換し、その正当性及び妥当性をシミレーション実験や観察によって検証していくことは大切である。

なぜなら、そうしたシミレーションによる検証を経て、メタファーとしての理論モデルがより本質的な理論につながっていくからである。

ヴァン・ギアート教授がヴィゴツキー及びピアジェの理論モデルを数理モデルに変換して検証したように、クネン教授がキーガンの仮説的理論を数理モデルによって検証したように、私も他の理論モデルに対して同様のことを行う研究に着手したいと思う。

それと同時に、今自分が取り組んでいるMOOCの研究を数理モデルの構築につなげていきたいという考えもある。クネン教授と再び協働研究をする日も近いかもしれない。

仮に米国の大学院に活動拠点を移したとしても、クネン教授がいつも快く述べてくださっているように、発達現象の数理モデリングについては是非とも協働研究を実現させたい。少なくともMOOCに関する研究においては、仮に数理モデルが構築されれば、それを検証するデータは十分にあるのだから。フローニンゲン:2018/3/15(木)18:27 

No.873: Bridge For Tomorrow

The weather today is impeccably fine.

Tackling one small piece of work while viewing the fine weather feels like walking on the bridge for tomorrow step by step. Groningen, 12:42, Tuesday, 3/20/2018

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