top of page

2250. 内省能力の発達・組織開発など


日曜日も夕方を迎えた。遠方の空に、灰色ではなく白い雲が一筋の帯のように連なっている。

さらに奥の空は青く晴れ間が広がっている。午後から夕方にかけて、貪るように成人発達と成人学習の専門書に目を通し、休憩としてボストン経営大学院教授ビル・トーバートが随分と昔に執筆した二本の論文を読んでいた。

どちらの文献レビューからも多くの洞察を得た。一つは、通称相対主義的段階と呼ばれる発想の枠組みは、結局のところ過度に文脈を意識した思考のあり方なのだと気づく。

「真理というものは存在せず、真理は文脈に依存する」という発言は、相対主義的な段階でよく見られるものだが、この発言は確かに正しさを内包していながらも限界がある。

パトリシア・キングとカレン・キッチナーの内省的思考能力の発達モデルについて再度文献を調査していると、こうした相対主義的な発想の枠組みの限界は、複数の抽象的な命題をまだ一つに束ねることができていないことに由来していることがわかってきた。

この説明はまさにカート・フィッシャーの段階モデルと相通じるものがあり、相対主義的な発想の枠組みとは、抽象的な命題という一つのシステムを複数束ねて一つのメタシステムを構築できない発想のあり方だということが見えてくる。

このところ、内省能力について再度関心を高めているため、キングとキッチナーの段階モデルについては再び彼らの書籍と論文を読み返したいと思う。

トーバートが他の研究者と共に執筆した論文を読んでいると色々と参考になることがあった。特にここ数年において、私は日本企業と協働する機会が多く、企業社会における個人と組織の発達現象について考えさせられることが多かった。

ここで一度腰を据えて、とりわけ構成主義的発達心理学(constructive developmental psychology)と企業社会における発達現象との関係性を論文や専門書を通じて探究し直したいと思っていた。

1980年代の後半に書かれたトーバードの論文を読んでいると、組織開発(organizational development)の専門家の中で、発達(development)現象に関する知識が欠如していることは皮肉である、という記述を見かけた。

この論文が書かれてから30年ほど経つが、今もその状況に変わりはないだろう。発達心理学を学び始めてからの数年間は、私は企業社会のことをほとんど念頭に置かない形で探究を進めていたが、今は協働プロジェクトの都合もあり、そうは言っていられない状況にある。

この状況を私は肯定的に受け止めており、日本企業との協働のおかげで、発達心理学、とりわけ成人発達理論の枠組みを組織人の発達や組織開発に適用する可能性と方法を日々模索することができている。

今日もこれから就寝に向けて専門書と論文を読み進めていく。小さく大きな社会に仕えていこうと思う。フローニンゲン:2018/3/11(日)17:26    

No.859: Today’s Work

I’ll have a meeting in the morning about the progress of my internship.

In particular, I’ll share what I’ve done so far. First, I’ve participated in various meetings about MOOCs, esp. contents development.

Also, I’ve visited the recording studio. Joining meetings and visiting the recording site were helpful to cultivate my understanding of MOOC development.

Second, my main activity in this internship has been data analysis. So far, I’ve conducted data analysis in terms of three quantification criteria.

The purpose of today’s meeting is to report the results of the first data analysis among three. This analysis focuses on the variability of sentence length in the targeted MOOC.

I analyzed how fluctuated each sentence length is and what the underlying structure of the fluctuation is.

This analysis was done by standardized dispersion analysis.

Then, I examined the relationship between the structure and two stats: (1) completion rate and (2) quiz scores.

After this meeting, I’ll start to summarize the results of the other two analyses. Groningen, 09:45, Friday, 3/16/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

bottom of page