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2244. 期末評価の季節:フィードバックと発達段階


早朝から小雨が降り続いている。書斎の中には、昨日インターン先のオフィスでもずっと聞いていたシューベルトのピアノ三重奏が静かに響き渡っている。

ちょうどこの曲が終わったところで、別の作曲家のピアノ協奏曲をかけたいと思う。シューベルトが残したピアノ三重奏は、そもそも数は少ないが、本当にどれも傑作だと思った。

シューベルトの曲を聴きながら、過去の日記を早朝に読み返していると、興味深い記事を見かけた。それは数日前に、私がフィードバックについて書き留めているものだった。

その時の内容は、過去に作った曲に対して自分がフィードバックを与えるというよりも、作品を聴き直してみたときに、作品から自分へフィードバックがなされるという趣旨のものであった。

そもそも、フィードバックというのはこうした円環的な運動をすることを本質としているのではないか、とはたと気付かされた。つまり、フィードバックというのは、片方から他方へと一方的に何かを提供するのではなく、双方向のベクトルがそこに存在しており、双方の間で何かしらの授受が行われるのである。

そのようなことを考えていると、企業社会においてはこの時期は期末評価を行う頃だということを思い出した。実際に、私のクライアントの方たちも期末評価を行うための準備に追われているという話をしてくれることがある。

こうした期末評価というのは、基本的にはマネージャーを起点になされるものなのだが、仮にマネージャーから部下に対して何かを一方的に伝えるだけであれば、それは真の意味でのフィードバックになりえないのではないか、ということを考えていた。

往々にして、企業社会で言われているフィードバックというのは、片方のベクトルしか存在していないのではないだろうか。であるとすれば、それはもはや本来のフィードバックの役割を担っておらず、それは単なる報告と述べていいものかもしれない。

フィードバックの意味付けに関しても、それは意味を構築する力の発達段階に大きく影響を受けるだろう。世間一般で言われているフィードバックというのは、往々にしてベクトルが一方向にしか存在しておらず、そうしたフィードバックのあり方というのは、キーガンの理論で言えば発達段階4のそれのように思える。

この段階では、自らの価値体系に固着しているがゆえに、どうしてもフィードバックのベクトルが一方向になりがちである。すなわち、フィードバック先の他者から自己にフィードバックされてくるものを掴むことができないのである。

一方で、フィードバックの本来の語源にまで遡り、自己と他者との間でフィードバックの双方的なベクトル、つまりフィードバックのループが存在していることに気づけるというのは、発達段階5、通称「相互発達段階」と呼ばれる段階の認識かもしれない。

対象が曲であれ人であれ、フィードバックの意味付けに関しては、やはり如実にその人の意味を構築する力の発達段階が現れるように思えてくる。フィードバックという現象について考えてみると、改めて非常に興味深いと思ったという点と、フィードバックという現象に対する意味づけは、やはり発達段階ごとに異なるという点が改めて興味深く思った。

早朝にコーヒーを入れている最中にそうした考えが浮かび、忘れないうちに書き留めておこうと思った次第である。フローニンゲン:2018/3/10(土)08:05  

No.856: Writing

Like using an argumentation diagram, I’ll link existing knowledge with new knowledge in my mental sphere.

Writing can play a scaffolding role here. Only an argumentation diagram seems aloof and detached to me.

I need a story to engage myself in a specific subject. In that sense, writing instead of using an argumentation diagram will be suitable to me.

It will be beneficial not only for enhancing my argumentation skills, factual knowledge, and conceptual knowledge, but also for cultivating my being. Groningen, 17:46, Wednesday, 3/14/2018

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