先ほど午後の仮眠を取っていた時、夢を見ない深い意識状態に自己が参入していた。ここ数日間、仮眠を取る際には毎回この意識状態まで自己が降りていく。
自宅にいる際に行う仮眠は毎回20分ほどなのだが、そうした短い時間の中で自己が複数の意識の状態を経験していることがわかる。特にこの数日間においては、非常に深い意識の層に触れている感覚がある。
仮眠の終了を知らせるバッハの曲が流れる際に、世界がまた何か新たに始まったかのような感覚がするのである。
私は過去長らく座禅や瞑想を毎日する習慣があった。しかし、この数年間はそうした実践をあえて行わないようにしている。
座禅や瞑想によって得られる効果から脱却し、座らずして同様の実践をするような日々が続いていると言えるかもしれない。とにかく、毎日座る自分はもはやいない。
ただし、毎日の仮眠だけはもう十年以上にわたって続いている習慣である。
米国西海岸のベイエリアで生活をしていた頃、ヨガのインストラクターの資格を取得した。その時に用いていたテキストの中に、シャバーサナという屍のポーズが意識状態に及ぼす作用に関する解説があった。
確かに私はもはや座ることをしなくなったのだが、最もリラックスできる屍のポーズでの仮眠によって、知らず知らず複数の意識状態を行き来する鍛錬をしていたのかもしれないとふと思う。
先ほど仮眠から目覚めてしばらく経つが、自己が深い領域でくつろいでいたという確かな感触が今もなお残っている。そうした余韻に浸っていると、雨がすっかり止んでいることに気づいた。
天気予報とは少し異なり、今は晴れ間が顔を覗かせていて、暖かい太陽の光が書斎の中に差し込んでいる。どうやら夕方の五時までは太陽が顔を覗かせており、そこからまた雨が降るようだ。
昼食前にクライアントの方と対話をさせていただいていた時に、非常に興味深い話を聞いた。その方は過去に二度ほど長期間の船旅を行ったことがあるそうだ。
その方の話を聞きながら、私も数年以内に一度船で世界を巡る旅に出ようと思っていたことを再度思い出した。昨年の年末に、欧州から日本に飛行機で戻った際に、それが心身に与える影響が非常に大きいことに気づき、飛行機を用いた長旅をあまり行いたくないという否定的な観点から、船という移動手段に関心を持った。
そこで以前に船旅についてあれこれ調べてみると、随分と色々なツアーが存在していることに驚かされた。タイミングとしていつになるのかは定かではないが、近い将来に船旅に出かけ、もう一度自己と世界を捉え直すような機会を設けたいと思う。
船でゆっくりと地球を回ることは、自己がもう一回転ゆっくりと成熟の方向へ向かっていくことにつながるだろう。世界の様々な場所を巡る船の上で日記を綴り、曲を作っていく毎日をいつか過ごしてみたい。
今日はこれから協働執筆中の書籍の原稿を書き進めていく。フローニンゲン:2018/3/8(木)15:31