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作曲実践をしながらふと一つの当たり前のことに気づいた。それは、作曲をする際に、楽譜を全て音符で埋める必要はないということだ。
つまり、休符を活用することの重要性にはたと気づかされたのである。文章の執筆に比べて、作曲が難しいのは、私はまだどこでどのように曲の区切りをつけていいのかを掴んでいないことである。
もちろん、基本的には八小節を前半と後半に分け、それを一つのまとまりとするようにしている。そうした点において、それは一つの区切りを意味する。
しかし今後は、そのような意味的な区切りのみならず、曲の中にいかに休符を盛り込んでいくかを考えていく必要がある。音楽は、音の鳴らない世界から始まることを忘れてはならないし、音が鳴らない世界も音楽世界であることを忘れてはならない。 数日前にバルトークの音楽に触れる機会があった。その曲は、この世界の何かを打ち叩きながら進行するようなリズムを持っていた。太古の昔に、人類が物質を叩いて音を奏でたかのような原初的な音の響きがそこにあった。
バルトークの曲の楽譜を見ていないのでなんとも言えないが、シンコペーションを活用したり、リズムの工夫をしたりすることによって、そうした原初的な響きを創出できるかもしれない。こうした原初的な響きが興味深いのは、それは私たちをある種のトランス状態に導きうることである。
その音楽が原初の響きに近ければ近いほど、私たちの脳が持つ古い部位がそうした響きに共鳴をするのかもしれない。トランス状態と脳の階層について考えていると、曲の階層性について考えている自分がいた。
様々な観点から、曲には種々の階層が存在している。そして、それら一つ一つの階層に、固有の時間スケールが対応しうるのではないかと思う。
ある曲を聴きながら、時に時間が早く流れるように感じたり、遅く流れるように感じたりするのは、曲が持つ階層的な時間スケールによるものではないかと思う。曲が階層的な時間スケールを持ちうるというのは、未だ仮説の域を出ないが、その仮説の検証を踏まえ、意図的にそうした曲を作れるようにしたいと思う。
曲が持つ異なる時間スケールによって、いくつものタイムトラベルを誘うような曲の実現。今日もこれから作曲実践に取り組む。山口県光市:2018/1/4(木)08:15
No.606: Multicolored Stroll While taking a stroll, various thoughts and feelings emerge in my psyche.
In that sense, a stroll would be intrinsically multicolored. Groningen, 11:16, Sunday, 1/7/2018