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1765. メロディーのアイデンティティとしてのリズム


穏やかな雰囲気を漂うわせる土曜日の朝。今朝は六時に起床し、六時半から一日の仕事をスタートさせた。

書斎の机に向かってすぐに漏れてきたのは、「穏やか」という形容詞であった。外見上、真っ暗闇に包まれた外側の景色を穏やかだと表現できるかは怪しい。

外側の景色だけを見れば、それは穏やかというよりも、深遠な世界を体現している。早朝から小雨が降っており、雨滴が窓ガラスにぶつかる音が聞こえてくる。

その小刻みなリズムに耳を傾けながら、こうした身の回りに溢れる自然現象から作曲の着想を得て、さらには作曲の技術を磨きたいと思う自分がいる。昨夜も作曲実践に取り掛かっており、小さなテーマとして抱えていたのはメロディーだった。

いかに納得のいくメロディーを作っていくかについて、実験を重ねながら考えていた。そもそも優れたメロディーの特徴について自分なりの定義を持っておかなければ、自分でメロディーなど作りようがないと思った。

優れたメロディーにはどのような特徴があるだろうか。こうした問いを立ててみた時に、すぐに多くの回答を述べることができない時点で、メロディーという概念かつ現象についての考察の浅さが露呈する。

優れたメロディーの特徴の一つとして、印象の余韻の強さを挙げてみるのはどうだろうか。言い換えると、それは思わず口ずさんでしまいたくなるようなものであり、記憶に残るようなものである。

厳密には言えば、思わず口ずさんでしまいたくなるものと、記憶に残りやすいものというのは異なるかもしれない。後者の特性を持たせるのであれば、メロディーには反復性を持たせることが重要になるだろう。

わずかばかりに差異を持たせながらも、反復性という音楽に不可欠な要素を活用してメロディーを作っていくのである。一方、前者の特徴についてはどうだろうか。

思わず口ずさんでみたくなってしまうというのは、もしかするとリズムと関係しているのかもしれない。先日から取り掛かっている作曲理論の専門書の中に、「リズムとはメロディーのアイデンティティである」という記述があったことが印象に残っている。

これはつまり、リズムとはメロディーの核に当たるものであり、リズムを変えるとメロディーの印象がガラリと変わるということを示唆している。思わず口ずさんでしまうようなメロディーは、アイデンティティに光るものがあり、それはすなわちリズムの輝きに置き換えることができるだろう。

そこで再び、リズムの輝きを掴み、印象に残るリズムを生み出していくためにはどうしたらいいのだろうか、ということを考えていた。もしかすると、一つのヒントとして、今も降り続けている雨のように、自然現象にリズムの規範を求めてみるというのもいいかもしれない。

日々の生活の中で何気なく遭遇する自然が奏でるリズムに耳を傾け、それを曲の中に活かしていくのである。もう一つは、やはり優れた曲の楽譜を参考にすることが挙げられる。

メロディーにはリズムという要素が包括されており、その逆は成り立たないため、メロディーを学ぶことはリズムを学ぶことに他ならないのだが、あえてリズムだけに焦点を当てて楽譜を眺めてみるというのは一つの実践方法かもしれない。

音階の高低に着目するのではなく、音符の種類の配列だけに着目し、分析対象となった曲の複数の小節がどのようなリズムになっているのかを掴んでいく鍛錬をしていくという方法だ。印象に残るリズムについて、もう一つ書き留めておきたい特徴がある。

優れたリズムを持つ曲は、身体と存在の中に深く入り込み、両者を揺らす。つまり、そこにあるのは、身体を躍動させるようなリズムであり、存在を打ち振るわせるようなリズムである。

そのようなことを考えてみると、身体と存在と共鳴し、両者を揺らしてくれるリズムが優れたリズムであり、そうしたリズムを持っていることが、優れたメロディーの一つの要件なのかもしれない。 外側の世界ではなく、内側の世界に広がる穏やかさ。起床直後に感じていたのはそれだった。

穏やかさの中にある固有のリズムとメロディーを感じながら、今日もなすべき仕事に取りかかっていく。2017/11/11(土)06:59

No.410: A New Piece of Music The development of a waltz requires a tremendous amount of spontaneous and extraneous efforts as human development does.

The weather of Groningen has been unstable for a while, and in fact, sporadic rainy days have continued.

However, even so or that is why, a fine day is exceptional and marvelous.

A new piece of my music that applies a waltz accompaniment might represent the nature of the weather of Groningen. 14:54, Friday, 11/24/2017

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