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1731. 美的体験の造形へ向けて


昼食後、仮眠を取っている最中に、目頭が熱くなるのを感じた。降り続ける小雨と同様に、感動のさざ波が自分の内側に残り続けている。

この感動を生み出していたのは、昼食時から引き続き起こってる、儚さの向こう側にあるものへの美的感覚だった。この美的感覚を、どうすればうまく表現することができるのだろうか。

それについて、私はまた性懲りも無く考えていた。仮に、曲の形としてこの美的感覚を見事に表現することができたら、どれほど幸せであろうかと思う。

それを「美的感覚」や「美的体験」として言葉で表現するのではなく、それを固有の音として表現していくのだ。なぜこれが重要なのだろうか?

それは、儚さの向こう側は一つの究極的な世界だが、儚さを引き起こすものはこの現実世界の中に無数に存在しており、美的感覚や美的体験はその数だけ存在するからである。つまり、究極的な美が生起する世界は一つなのだが、その世界へ向けて投影される現象は無数に存在しており、その存在の数だけ固有の美的体験があるのだ。

過去の偉大な作曲家が、様々な曲を通してそうした無数の美的体験を表現してきたことから想像するに、この考えは一つの部分真理を内包しているように思う。儚さを喚起させる無数の存在を捉え、その存在が儚さの向こう側の世界に投影される瞬間に起こる、その美的体験を曲として表現するのだ。

それができたら、どれほど素晴らしいことだろうかと思う。そうした行為は、儚さを生むものへの感謝の意が反映された行為であるように思う。

それを行う一つの重要な手段として、作曲というものがあるのかもしれない。曲の一つ一つのモチーフの中に、フレーズの中に、そうした美的体験を表現することができる日が来ることを心から望む。 作曲という方法を用いることによって、美的体験を自然言語ではなく、音楽言語として表現していくことの意義と尊さを強く感じる。自然言語の形式では造形しえない美的体験の諸相があり、それを音楽言語は形にすることができる。

逆もまた然りだろう。曲という音楽言語を通じて美的体験を表現していくことに合わせて、改めて、自然言語を通じてどこまで美的体験を表現することができるのか、という問題を再度考えていた。

「美的体験」という一つの言葉だけを用いても、その体験の奥にある固有の美的感覚は一切伝わらない。だからこそ、その言葉を取り囲む周りの言葉や、部分部分の言葉が集まって生み出される一つの文脈というものが大切になる。

自然言語と音楽言語は、異なる領域に属しているがゆえに、一つの同一の美的体験を異なった形で表現することができる。大事なことは、どちらの言語体系を用いたとしても、儚さの向こう側の美的世界の感覚を表現することが可能だということだ。

自然言語を用いては、そうした感覚を表現することができないと思われがちであるが、それは早計である。それを可能にしてきた偉大な詩人や小説家の存在を、私たちは忘れてはならない。

一つの儚さをもたらす体験があり、それが儚さの向こう側の世界を静かに映し出している時、その投影物と接した時に喚起される感覚を言葉の形にすることは可能なのだ。それは不可能なのではない、可能なのだ。

自分に向けてもう一度繰り返しておく必要があるだろう。それは可能なのだ。

美的体験を言葉の形で造形しようとする試みに、その他の様々な言葉が付随的に生まれ、それが一つの固有の文脈を作り出し、その独自な文脈が固有の美的体験をありありと表現する。

そこで表現されたものが、生々しい美的体験の原型と瓜二つの感覚をそっくりそのまま伝えることが可能なのだということへの気づきは、とても大きなものだった。

先ほど目頭が熱くなった一つの要因は、この啓示的な気づきの存在にあったのだ。2017/11/2(木)14:44

No.376: Maurice Ravel’s Music Like I did yesterday, I continue to listen to Ravel’s music today.

His music sounds and looks rainbow-like. His multicolored music invites me to the depth of the kaleidoscopic reality.

Yesterday, I listened to his music for more than 14 hours.

Today will be the same. I will be immersed in Ravel’s perceptual reality. 09:39, Monday, 11/13/2017

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