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1491. 黒の黒さに酔う夢


暗闇の奥の暗闇。真っ黒の奥にある真っ黒な深淵を覗き込むような夢だった。昨夜の夢は少々不気味な内容だった。

古びた一つの建物の一室に長机が置かれていた。そこには人影はなく、木で作られた長机が部屋の中央に置かれており、その脇により豪華な材質でできた机が置かれていた。

人影のないこの部屋に、突然二人の男が現れた。一人は米国人のキャリアの豊富な有名な俳優であり、もう一人は見知らぬ中年男性だった。

二人は共に真剣な顔で対話をしており、あるところで見知らぬ中年男性が長机の上に横たわっていることに気づいた。身動きが取れない状態で長机の上に横たわらされており、俳優の男性がその中年男性に近づき、何か情報を聞き出そうとしているようだった。

そこで俳優の男性がジャケットから取り出したのは、注射器であった。長机の上で身動きが取れない状態でいる中年男性は、頑なに情報を口に出すことを拒否しているようだった。

俳優の男性は冷静な顔を崩さないまま、取り出した注射器を長机の上に横たわる中年男性の右腕に刺した。すると、その男性の体全身の主要なツボから血が滲み出した。

それでもまだ中年男性は口を割ろうとせず、俳優の男性はもう一度注射器を中年男性の腕に刺した。すると今度も同じ箇所から、しかしより量の多い大量の血が噴き出した。

その瞬間に、何やら部屋の外の階段を勢い良く上ってくる音が聞こえた。これまで冷静だった俳優の男性は表情を変え、慌てて長机の横の豪勢な机の下に隠れた。

この瞬間、机の下で息を潜めている俳優が私になっていた。部屋のドアを蹴り破るかのように一人の若い男が部屋に入ってきた。

どうやらその男はFBIの捜査官だった。この捜査官に見つからないように、私はじっと息を潜めながら豪華な机の下にいた。

捜査官の男はくまなく部屋を調べながらも、私の存在に気づくことはなく部屋を後にした。それを確認した後、私もすぐさまこの部屋を後にし、階段を駆け下りた。

どうやらまだFBIの捜査官はこの建物内にいたようであり、彼は階段を降りる私の足音を聞き取り、私の後を追うように走り出したことがわかった。この建物から急いで外に出た瞬間、その捜査官がもう私の背後にいることに気づいたが、その気づきが私の全身を飛びあがらせ、この建物の屋根に私を飛ばした。

その屋根はほぼ平坦であるが、少しばかり傾斜のある四角錐の形をしていた。その屋根に張り付くように身をかがめながら、屋根の下を見ると、建物から外に出たFBIの捜査官が顔を左右に振り、私を探している様子が見えた。

そこで私は屋根の真ん中に行き、気付かれないようにさらに身をかがめていた。すると、屋根の真ん中にタイヤのようなものが埋め込まれており、その下はこの建物の真下に続くかのようにくり抜かれていた。

このタイヤのようなものを通じて建物の中を覗き込むと、そこに見えたのは不気味なほどに真っ黒な闇だった。真っ黒な世界を真っ黒な世界で上塗りした空間がそこに広がっていたのである。

この深遠な闇の世界を覗き込んだ時、その闇のあまりの深さにめまいがした。黒の黒さに初めて酔った。

その世界を覗き込んだのはごく一瞬であったが、これは覗き込んではならないものだとわかった。闇を貫く本当の闇と黒の黒さが今の私には耐えられなかったのだ。

タイヤのような物体から顔をそらした時、少しばかりまだめまいが続いていた。しかし、それでも私は屋根の上に身をかがめて、FBIの捜査官がその場を立ち去るのをじっと待っていた。そこで夢から覚めた。

ポツリポツリと雨が降り、薄い闇に包まれているフローニンゲンの早朝世界。起床した私は、夢の中でわずかばかり覗き込んだ、黒の存在だけで充満したあの暗闇の世界を少しばかり思い出していた。

黒の黒さに酔ったのは初めてのことだった。2017/8/31(木) No.137: The Detrimental “Banking Education” Paulo Freire castigates “banking education,” which is education coercing learners to store information. That kind of education is still prevalent in the modern society.

Needless to say, banking education is detrimental to not only child learning but also to adult learning. The principal reason is that we are not a closed system that is the underlying concept in banking education.

On the contrary, we are a dynamic open system that is not based on a mere input-output relationship. It is always exchanging information with the outside.

When do we overcome the outmoded and deleterious paradigm in education? I think it is now. Sunday, 9/3/2017

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