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1470. 馬鹿の先


毎日日記を書くという日々。ここ数年以内に毎日論文を書き、毎日作曲をする日が来ることを強く願う日々。

だが現状は、論文と曲の創出に向けた準備をただひたすらに辛抱強く行っている。欧州での生活を始めることが決まって以降、私は毎日少しずつ日記を書くようになった。

初めは毎日ではなかったかもしれない。欧州に渡る前後から、私は毎日日記を執筆せざるをえないような状況にあった。いや、執筆衝動のようなものが自分を駆り立てた、と言った方が正確だろう。

それ以降、そうした衝動に駆り立てられる形で私は基本的に毎日何かしらの日記を書いている。自分でもどうしてこれほどまでに日記を毎日書いているのかと不思議に思うこともあるが、一日呼吸を止めた人間がどのなるのかを私たちは簡単に想像することができるように、私はもはや日記を書くことなしでは生きていけない。

おそらく、人は毎日このような形と量で日記を書く私を嘲笑するかもしれない。それよりもむしろ、馬鹿だと思うかもしれない。

そこで一つだけ興味深いテーマがある。それは、仮に自分が生涯を閉じるであろう残りの約80年間にわたって毎日日記を書き続けた場合、一人の人間が生涯にわたって生み出した巨大な表現物に対して、人は何と言うのかという点である。

端的に述べれば、そのような膨大な蓄積物かつ構築物を目の当たりにした時に、人は「馬鹿だ」という形容詞の代わりにどのような形容詞を使うのか、ということにとても関心があるのだ。もしかしたら変わらずに同じ形容詞を使うかもしれない。または別の形容詞を使うかもしれない。

先ほど洗面所でそのようなことを少しばかり考えていた。日記と論文の執筆と作曲さえあれば、他に何もいらない生活。それらだけに打ち込む生活を早く実現させたいと願う。

論文の執筆や作曲はおろか、実は日記の執筆ですらまだ始まっていない。それらは全て実験段階であり、今は本格的な表現活動に向けた準備段階である。

自分の中に眠っているものを呼び覚ましていかなければならない。未だ一切表に姿を現さない自己の潜在的な側面が、自分の内面世界の奥底に隠れていることを知っている。

それに光を当て、光の世界に導き出すことによって、絶えず表現活動に打ち込みたいのだ。実験に次ぐ実験、準備に次ぐ準備を愚直に行っていく必要がある。

それは後数年かかるかもしれないし、十年かかるかもしれない。あるいは、それ以上の年月がかかるかもしれない。

いくら年月がかかろうとも、自分はそこに行くと決めている。逆に言えば、そこ以外にはどこにも行かない。

そこに行くための一歩が粛々と毎日営まれる生活実践。そこに行けるかどうかなどは一切関係なく、そこに辿り着いたという前提で逆算的に毎日一歩だけ足を進める生活。

作りに作るということ。創出に次ぐ創出が自分の人生であり、最後の創出が自分の生涯の最後の作品であるという人生。

今日もまたそうした人生の貴重な一日であるということを改めて思い、今日という一日を最善に生き抜きたいと思う。自分にはそれしかできないのだから。2017/8/25(金)

No.116: To Reify Daily Experience By Writing We go through an innumerable number of experience everyday, but we learn less than we think.

One of the main reasons is that we do not fully embody each experience. It looks like as if such a daily life were empty.

We cannot learn anything in that kind of a vacant life. What we need is to thoroughly embody each moment or at least meaningful events that capture our soul.

Whenever an event piques my soul and curiosity, I write it down to reify it in my inner world.

A short writing is sufficient to embody our daily experience, and I believe that writing is a vital component of learning. Wednesday, 8/30/2017

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