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1423.【北欧旅行記】オスロ国立美術館を訪れて


ムンク美術館を後にし、オスロ国立美術館に向かった。この美術館は、絵画や建築などの分野によって建物が異なっており、今日私が足を運んだのは絵画作品を所蔵する美術館だ。

ここにはムンクの代表作である『叫び』や『マドンナ』が所蔵されているほか、ピカソやモネなどの作品もいくつか所蔵されている。全体を通じて見所の多い美術館だという印象を受けた。

ただし、私が最も感銘を受けたのは、そのように有名な作品ではなかった。最も印象に残っているのは、ノルウェーの画家が描いた一つの作品だった。

その絵の主題は、ある農民の家族の葬式である。葬儀の場所は、小高い山を背にした平野の一角であり、ある人物が埋葬された場所に8人の人間が集まっている。

数人の男性が、悲しげな表情を浮かべながら埋葬場所をうつむき加減に見つめている。埋葬された人物が安らかな眠りにつけるようにするためだろうか、一人の若い男性が小さな手帳のようなものを持ち何かを読み上げている。

その横に、白い頭巾をかぶった年寄りの女性が立っている。この絵の中に、人間の一生の全てが描かれているような気がした。

コペンハーゲンのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館でも感じたことなのだが、作品のモチーフとなった実際の過去に生きていた人々の生活や生き様を考えることを余儀なくされることが頻繁に訪れる。

それは突発的なものであり、それらの人々の人生をその場で再体験しているかのような感覚を引き起こす。まさに一昨日のコペンハーゲンの美術館で目撃した作品は、今から200年以上も前に描かれたものでありながらも、その主題となっている人物がとても近しい存在に感じたのだ。

200年というのは確かに長い年月かもしれない。だが、その作品を見たときに感じていた時間の近接性をどのように説明したらいいのだろうか。

その作品の人物が今この瞬間に生きていても全く不思議ではない生命力。作品に宿る命のようなものを私はずっと感じていた。

そうした長大な時の重みに耐え、現代においてもなおその生命力を失わない作品を前にした時、自分の仕事のあり方を再度捉え直さざるをえなかった。今日のオスロ国立美術館で見た葬儀をモチーフにした絵画もそうだった。

その作品は、一人の人間の肉体的な命が尽きたことを描いている。だが、そこには尽きない命が確かに宿っていた。

一人の人間が生み出す表現物には、これほどまでに命を感じさせる力を込めることができるのだ。ここで私はもう一度、表現物の再定義をしなければならない。また、表現物を生み出す方法についても再度根底から見つめ直さなければならない。

美術館にある作品を眺めている最中、私の頭の中は自らの表現物に関することで一杯だった。ここからまた歩き始めたいと思う。

この世界で日々生きることが絶えざる出発であるならば、今日この場で大きな出発を新たにしたいと誓った。美術館を出ると、夕方のオスロはまだ日差しが強かった。

自分の中の太陽を見つけることができるだろうか。そして、その太陽の光を必要とするべき人や場所に届けることが自分にできるだろうか。

オスロという街が、自分を励まし、再出発を促す大伽藍のように映った。2017/8/11(金)

No.68: Celebration Rain for a New Day It is raining from the dark sky in the early morning. The rain looks like a gloomy march.

The view of the surrounding from my study is nearly equal to the scenery in the end of the world. However, it does not urge a hopeless and forlorn feeling.

In fact, the opposite is true; the rain is a shower of celebration for a new day in the world. I can feel the rain as an auspicious gift. Saturday, 8/19/2017

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