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1378. 日本を発ったあの日から


昨年の昨日は、欧州に向けて日本を出発する前日であった。あれから一年が経ち、当時の自分は何を思い、どのようなことを考えていたのかを知る意味で、先ほどその日の日記を改めて読み返していた。

昨年の日記には、下記のようなことが綴られていた。 **** ——後に続く者あるを信ず——神風特攻隊

出発前夜、成田空港の近くにある「ホテル日航成田」に宿泊することにした。今、ホテルの自室でこの記事を書いている。 成田空港に到着するまでの電車の中で、私は窓から見える景色をぼんやりと眺めていた。電車の窓枠が絵画の額縁になったかのような錯覚に襲われ、額縁の中に動く雪山を見つけた。 それは本物の雪山ではなく、雪山のように見えた積乱雲の塊である。そういえば、米国時代にこのような積乱雲を見かけたことはほとんどなかったのではないかと思わされた。最後の最後に、日本の気候が作り出す格別のお土産を受け取ったように感じた。 日本のこの固有の時の流れ方、夏のこの空気の香り、それら日本でしか感じることのできないありとあらゆることを、私は決して忘れたくないと生まれて初めて思った。この先、日本で生活をする日がいつになるのか正直全くわからないのだ。 昨年のように、今後の人生のどこかのタイミングで日本に戻り、一時的に日本で生活をするかもしれない。しかし、その時はしばらく訪れないであろうということを、直感的に知ってしまっているのだ。 だからこそ、そして今この瞬間だからこそ、日本が持つ固有の「日本性」の全てをありのまま感じることができると思うのだ。成田近郊の街のネオンに日本が顕現されている。手元にある日経新聞に日本が顕現されている。ホテルの自室に備え付けられている歓迎用の煎茶の茶葉に日本が顕現されている。 そうしたことを思うと、抑えがたく込み上げてくるものがあるのだ。 出発を前にして、私の中で立てた誓いを確認する。それは、明日から始まる新しい人生において、発達科学者として人間の発達に関する「真」の追究のみならず、現代社会から抹消されつつある「美」や「善」の領域の追究に全身全霊を注いでいくということ。 そして何より、自分の生命の灯火を極限まで燃やし続けながら生き抜くことはできるのか。それに挑戦し続けたい。究極的にはこれなのだ。 こうした生き方を希求し、実践し続けた辻邦生先生や森有正先生のような先人を信じ、そして後に続く者をただ信じて、ひたすらに進んでいきたいと私は思う。2016/7/31夜

**** 昨年の日記を読み終えた後、私は内側の奥深くに入っていくような感覚に浸っていた。それはとても静かな感覚だった。

あの日の私がどこにいて、何を思い、何を感じていたのかがありありと蘇ってきたのである。当時の私が、とりわけ日本性を大切に思っていることが伝わって来る。

だが、それは私が一方的に日本への思いを表明しているだけに過ぎない。一年経った今は、日本性に対する思いはさらに強まりながらも、自己を深めることが日本性を深めることに繋がり得る、という両者の間の互恵関係を捉えている自分がいる。

一方で、あの当時と変わらないのは、日本固有の時の流れや空気の香りなど、日本でしか育まれえぬものに対する思いである。八月に入ったというのに夏を感じさせない涼しい気候の中に身を置き、赤レンガの家々が目に飛び込んでくるたびに、これは日本的世界ではなく、オランダ性が具現化された世界なのだと改めて知る。

今私はオランダで生活することを通じて、これまで培ってきた思考や感覚を全て吟味し直し、全く新たな思考や感覚を育んでいくことを余儀なくされている。そして、それを望む自分がいるのも確かだ。

だが、新たなに育まれる思考や感覚を見えないところで支えているのは、やはり母国で培われた思考や感覚であるに違いない。 昨年の出発前夜に確認した誓いを、今の自分はどれだけ守れているだろうか。あの夜から今にかけて、自分はどれほど前に進んできたのだろうか。

真善美の探究に全身全霊を捧げるという思いは今も変わりがない。自己の生命の灯火を極限まで燃やしながら日々を生きようとする姿勢も変わりがない。

変わったものがあるとすれば、そうした思いと姿勢を絶えず持ちながらも、それらを超えた場所を常に透徹した眼差しで見つめているということだろう。そこには魂と幸福があり、魂が幸福さを感じ、幸福さが魂となっている場所なのだ。

あの時の私は、遥か彼方に存在する自分から自分へと言葉を伝えていたようだった。であるがゆえに、「後に続く者」というのは決して他者を指しているわけではなかったのだ。

あの時の自分が、いや遥か彼方に存在する自分が信じていたのは、未来永劫に渡って歩き続ける自分自身の存在に他ならなかったのだ。その先に待つ自分へ還る者、すなわち後に続く者として、今日からまた一歩の歩みを進めたい。2017/8/1(火)

No.23: Wish to Construct Gargantuan Semantic Networks I wish I could become a Theraphosa blonde——one of the largest spiders in the world—— or the internet, both of which can construct massive networks.

Of course, this is a metaphor, and it represents my aspiration to build gargantuan semantic networks by words.

To accomplish it, I need to continue to write everyday even if it is a small step. Sunday, 8/6/2017

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