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1372. 名付けの責任


午後八時半を迎えた。そろそろ一日の仕事を終え、作曲の学習と実践をしたいと思う。

その前に、今日の最後の日記を書き留めておきたい。ふと拙書『成人発達理論による能力の成長』で紹介した「知性発達科学」という言葉について思いを巡らせていた。

この言葉を使うようになったのは欧州での生活を始める直前であったか、あるいは欧州に来てからであったかのどちらかだろう。いずれにせよ、その言葉を用い始めてまだ日が浅い。

この言葉はある意味、自然な形で必然的に生まれたものだと思う。そもそも、この言葉は広辞苑などに載っているようなものでは決してない。なぜなら、それは私の造語だからである。

数年前の私は、自分の探究を「発達心理学」という学問領域の範疇の中で行っていた。実際に、当時の私は、発達心理学に関する専門書や論文を読むことを通じて自らの研究や仕事を行っていた。

しかし、それから数年が経ち、特にこの一年の間において、もはや自分の探究が発達心理学の枠に収まらないことを感じ始めていた。事実、発達心理学の枠組みから離れ、様々な学問領域を横断しながら探究を進めている自分がいた。

だが、そこで共通していたのは、人間の知性を扱うということであり、同時に、人間の知性が発達していくという現象であった。また、それを科学的な手法を用いて探究していくという見逃せない点があることに気づき、結果として「知性発達科学」という言葉を自らの探究活動に当てるようになった。

今は、知性発達科学を中心に、そこからさらに、人間の知性の発達を哲学的な観点から捉えていく探究に従事している。気づかないうちに、自分の探究領域が拡張し、それによって随分と人間の知性の発達に対する捉え方が変化してきたように思う。

それを考えると、今後の探究活動に対して、また別の意味付けをする日が来るかもしれない。自らの探究と内面が深まっていけば、おそらくその日はいつかやってくるだろう。

その日を迎えるまでにとりわけ重要なのは、名付けの責任を持って歩み続けることだ。造語の責任は重いことを知っている。しかし、当時の私は名付けることによってしか前に進むことができなかった。

自分が日々従事していることの意味は何なのか、それに名前が与えられぬままではどうにも前に進めなかったのだ。安易な名付けほど無責任な行為はない。

名付けるという行為は、名付けられるものに愛情を注ぐことであり、それを真に育んでいくことでなければならない。私たちに子供が生まれ、名付けをするというのはまさにそれを端的に示しているのではないだろうか。

今の自分は、自らが名付けた「知性発達科学」というものをどれだけ深めていくことができるのかわからない。だが、それに対して無上の愛情を注ぎたいと思う。

そして、それを大事に育んでいきたいと思うのだ。それは、名付けをした者が果たすべき最低限の責任である。 時刻が九時に迫り、外の世界が黄昏時の雰囲気を醸し出している。ほのかな黄色を放つ夕日。そしてそれに照らされた木々の葉が、一日が終わりに近づいていることを静かに告げている。

暮れ行く夕日を眺めながら、いつか私はまた日本で生活する日のことを思った。北海道、長野、あるいはより特定の場所としては、高野山で生活をしたいという思いがふつふつと湧き上がる。

それらのどこかの場所で生活をする日が近い将来にやってくるとは到底思えないが、遠い将来その日はやってくるだろう。そしてそれを密かに願う自分がいる。

自分の前途には、通過しなければならない場所が無数に存在している。そのようなことを思いながら、ここで筆を置き、明日に筆を渡したいと思う。2017/7/30(日)

No.17: Variable and Invariant Existence I am witnessing everything come and go within me. What always surprises me is that I am constantly surrounded by an infinite number of dynamically changing phenomena.

Strictly speaking, I am also a part of the dynamically changing existence. What is invariant existence?

That is the transcendental ground of all existence. Sunday, 8/6/2017

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