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1325. 迫り来る冬への思い


夕食中、食卓の窓から外を眺めると、夕暮れ時の涼しい風が辺りを吹き抜けているのが見えた。今日の早朝は雷雨に見舞われ、午後から天気が回復しながらも、夕方に入るあたりで突発的な雨に見舞われた。

そして、今この瞬間は空が晴れ渡っている。どうやら明日は、一日中天気に恵まれるようだ。

夕暮れ時の穏やかな太陽が世界を優しく包んでいる。私は思わず、その世界に身を委ねた。

平穏な気持ちがしばらく続いた後、突如として、あの厳しい冬がまたやってくることに対して少々怖気付く気持ちになった。「あの過酷な冬を自分は乗り越えることができるのだろうか・・・」という言葉が自然と漏れた。

昨年、私は初めて北欧に近いこの地の冬を経験した。それは外側の世界の厳しさのみならず、内側の世界の厳しさを私に突きつけてきた。

私は、あの過酷な冬をなんとか耐え凌ぎ、耐える中で一歩一歩の前進を遂げてきた。そして今がある。

少し前に、私はあの鬱蒼とした厳しい冬の到来を懐かしく思い、冬がやって来ることを期待しているようなことを日記に書き留めていたように思う。ひるがえって今は、それとは真反対の感情を持っている。

諸々の境界線の上を歩くことを余儀なくさせる、あの冬がやはり怖いのだ。真の冬を真に生き抜いた先に、また新たな自己の姿があるだろう。

とにかく今は、一度限りのこの夏を精神の髄を通して味わい、この季節を通して養われた髄液が冬の時代に滲み出るように、日々の瞬間瞬間を過ごしたいと思う。 今日は午後より、明後日から始まる出版記念ゼミナールの初回のクラスに向けて最終準備をしていた。Adobe Connectと並行してPreziを活用するのは今回のゼミナールが初めてであるため、動作確認を入念に行っていた。

『成人発達理論による能力の成長』を扱うゼミナールは今回が最初で最後ということもあり、思い入れのあるゼミナールになりそうだ。有り難いことに、今回はこれまでのゼミナール以上に多種多様な経験を持つ受講生が参加してくださる。

受講生の方々とのやりとりは貴重な財産となるだろう。毎回のクラスを通じて、私自身も様々な気づきや発見を得るであろうから、各回のクラス終了後に自分自身でも振り返りを欠かさず行いたいと思う。

ゼミナールは明後日から九月の初旬にかけて行われる。そこからはフローニンゲン大学での二年目のプログラムが始まり、すぐに冬を迎えることになる。

このゼミナールがあったことにより、迫り来る今年の冬の捉え方が必ずや変化するのではないかと期待している。冬を通じて何を学び、どのような成熟過程を経るのかに思いを馳せながら、明後日からのゼミナールに臨みたい。2017/7/20(木)

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