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1205. 作曲実践を通じた「自由と制約」への気づき

July 1, 2017

昨夜の夢はひどく残虐的であり、戦慄を催すような内容だった。しかし、夢から覚めてみた私は、何事もなかったかのように、初夏を思わせるフローニンゲンの爽やかな朝に同化していた。

 

優しい朝日が辺りを照らし、そよ風が繰り返し繰り返し過ぎ去っていく。そのような様子が書斎の窓から見える。

 

早朝から仕事に取り掛かると、書斎の窓に何かがぶつかる音が聞こえた。窓の方に視線をやると、愛らしい小鳥が窓からこちらを覗いているのが見えた。

 

私は、このような形で小鳥と鉢合わせることを全く予期しておらず、とても幸せな気持ちになった。その小鳥はピヨピヨと鳴きながら、顔を小さく左右に振り、それでいて部屋の中にいるこちらを見ているかのようであった。

 

その仕草は愛らしく、いつまでも眺めていたいと思わせるほどであった。だが、そうした思いとは裏腹に、その小鳥はどこかに飛び去ってしまった。

 

飛び去った鳥の後に残っていたのは、小さな感動と幸福感が通った跡だった。感動と幸福の痕跡が、確かに自分の内側に刻まれていることを感じた。

 

仮に、こうした感動と幸福そのものが一過性のものだとしても、それが通った跡は永続的なものなのかもしれない。そして私は、一過性の感動や幸福だけを感じるのではなく、それらの通った跡が作り出す永続的な感動や幸福に触れたいと思った。

昨日から、最終試験の準備で少しばかり離れていた作曲の学習と実践を再開させた。最終試験の準備に取り掛かる前に、ちょうど音楽理論や作曲の基礎に関する書籍を三冊ほど読み終えていたので、昨日から本格的に、“Composing Music: A New Approach (1980)”というより実践的なテキストに取り掛かることにした。

 

これは以前紹介したように、教育哲学者のジョン・デューイの思想が体現されているかのような内容になっており、まさに “Learning by Doing”の発想に裏打ちされた作りになっている。昨日は、第一章の課題を実際に自分の手を動かしながら取り組んでいた。

 

一つ印象に残っている課題として、活用できる音階に制限を設け、その制限の中でいかに自分が表現したいリズムを生み出していくかというものがあった。その課題に取り組みながら、制限があることが逆に創造性を育む契機になりうる、ということに気づいた。

 

突飛な考え方かもしれないが、真の創造性は自由から生まれるというよりも、制限から生まれるのではないか、という考えすら芽生えてくるような体験であった。もし仮に、自由というものが全てからの解放であり、そこに無しかないのであれば、創造性という有は生まれないのではないかと思わされた。

 

それぐらいに、制約や制限というのは、ある種、創造性を刺激し、自分の内側のものを外側に形として表現するために、なくてはならないものなのではないかと思ったのだ。その課題で課せられた制約に忠実になりながら、私は、表現を待つものを音の形にしていった。

 

その実践に没頭した後に、制約と自由は表裏一体の関係にあることに気づいた。制約があることによって、私は自由に自分の表現したいものを表現することができたことに気づく。

 

そうした自由な表現を担保しているのが制約だった。仮に、制約がなければ、そうした自由が生まれることはなかったように思う。

 

一方、そもそも自由という概念が生まれるためには、自由と対の概念が存在していなければならないことにも気づかされる。それが制約なのだろう。

 

つまり、自由が存在するためには制約が存在していなければならず、制約が存在する場所には自由が存在するのだ。両者の表裏一体の関係は、昨日の作曲実践の体験からすると、極めて明確なものだった。

 

自由と制約という概念そのもの、そして両者の関係性については、これからの作曲実践によって幾度となく考えさせられるだろう。2017/6/22

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