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1164. 確立された個の特性


早朝の晴天とは異なり、昼食前あたりから天候が怪しくなり始めた。実際に、突発的な小雨が降ることもあった。

現在は、分厚い雲が空を覆い、ところどころに晴れ間が差し込むといった空模様だ。午前中、「タレントアセスメント」のコースの最終試験に向けて、再度論文を読み返していた。

試験で取り上げられる26本の論文のそれぞれに対して、重要論点をワードに書き出し、それらの論点に対して自分の言葉で論を展開できるように準備していた。午前中は、すでに準備した内容に対して、さらに肉付けするような作業を行っていた。

数日前に書き留めていたように、今回のコースを履修したおかげで、タレントアセスメント全般に関する知識基盤を随分と強固なものにすることができたように思う。ここで構築された知識を土台とし、さらに高度な知識を構築していく実践にこれから励むことになるだろう。

それは、能力測定に関する実務作業に従事し、能力測定に関する新たな論文や専門書を読むことを通じて少しずつ実現されるだろう。今朝、改めて一つの自己を確立し、確立された自己を通じて何かを発言することの意味について考えていた。

私たちが一つの強固な点としての自己を確立するとき、それは固有な点であるがゆえに、固有の価値と真実を必然的に内包するものだと言える。つまり、一つの点としての自己を確立するというのは、自分に唯一付された価値と真実への目覚めが伴うように思うのだ。

私たちは、自己の内側に固有の価値と真実が横たわっていることを発見するとき、それを死守し、それを主張するような運動に駆り立てられるのだと思う。これは利己的な主張をするということとは全く別の次元の話であり、固有の価値と真実を毀損しようとするものへの断固たる抵抗であり、それらの価値と真実が公的なものとして開かれる必要性に根ざされた主張がなされるという話である。

思うに、真に一つの点としての個を確立した人間というのは、仮に全ての人間を敵に回したとしても、固有の価値と真実に基づいた主張をなすような人物なのだと思う。ユングが提唱した「個性化」やキーガンが提唱した「自己主導的知性」というのは、まさにそのような特性を兼ね備えたものであろう。

世間を眺めてみると、本来こうした特性を持つはずの個性化や自己主導的知性というものが、随分とその意味が希薄された形で受け取られているように思えて仕方ない。個性化を果たした人物や自己主導段階に到達した人物というのは、自らの内側に存在する価値と真実に気づき、それを表現することを迫れた人物のことを指すのだろう。

他者とは異なる対岸に立って自らの主張を打ち出すことができるのかどうか、というのは一つの試金石であり、これは無根拠かつ利己的な自己主張をすることとは性質を異にするものである。

そのようなことを考えてみた時に、我が国において、真に個性化を果たしている人間や真に自己主導段階の知性を獲得している人間は、ほとんど存在していないように思えて仕方ない。2017/6/12

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