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1089. 準備期間


自分の内側から日本語がうまく出てこない日が少しばかり続いている。より正確には、日本語が内から外へ出て行かないだけではなく、外から内に入って行かない感覚に包まれている。

それを証明するように、ここ数日間において、私は日本語で日記を記すことが難しかった。また、先ほど森有正先生と辻邦生先生の日本語に目を通そうとしたのだが、彼らの言葉が全く自分の内側に入ってこなかった。

このことからわかるように、ここ数日間は、日本語を司る感覚器官がまるで一時的な休暇に入ったようであった。そうした感覚を引き起こしたのは、5/18から四日間にわたって開催された第24回目の “The International Society for Research on Identity (ISRI)”に参加したことと関係しているかもしれない。

私はこの会議を通じて、研究者として今後仕事をしていくための重要な何かを確実に掴んだ。この会議は、私にとって、ある種の起爆剤のように思えた。

それを証明するかのように、会議に参加している間中、その日の夜は興奮のあまりすぐに寝付くことができなかった。ベッドに横になって以降、次々と湧き上がる様々な問いと一つ一つ向き合っているうちに、あっという間に時間が過ぎ去っていくような体験をしていた。

確かに私は、この会議を通じて、アイデンティティの発達に関する様々な概念や理論、新たな研究手法と触れることになった。新たな情報を取り入れたことが重要だったのではなく、研究者としてのあり方や今後の歩み方に関して、自分なりの考えをさらに深めることができたことが何より重要であった。 学会の最中、私は常に、「何も焦る必要はない」という言葉を自分に言い聞かせていた。自分はまだ準備過程にいるのだ。

しかも、納得のいくまで広く・深く、その準備を推し進めていく必要がある。後十年ほどは準備の期間であり、それが過ぎてから私はなすべきことをなそうと思う。

納得のいく仕事を納得のいく形で、自己が滅却するほどに激しく進めていくためには、強固な土台が必要になる。兎にも角にも、全ての雑音から自己を遮断し、準備に準備を重ねる毎日を送っていきたい。

そして、自分が準備期間にいることを隠す必要もない。準備の過程で考えていることや体験したことを、自己に刻印するかのように書き残していくことだけをしていけばいいのだ。

自分の真の仕事を始めるにあたって、それ以外に最良の準備はないだろう。その日が来るまで、とにかく私は準備に準備を重ねたいと思う。2017/5/23

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