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1030. 論文創出に関する思想体系と方法体系の構築へ向けて


今日は午後より、修士論文の手直しを行っていた。先日執筆した文章を再び読み返すと、執筆した本人ですら即座に意味を理解できない箇所があったり、パラグラフ全体の堅牢性が脆弱であったりする箇所が目立った。

特に、 “Discussion”セクションでは、私自身の考えを分析結果をもとに展開していくことが求められているがゆえに、客観的な記述を淡々と積み重ねていけば良い他のセクションよりも文書の傷が目立った。そうした傷を修復し、以前よりも強固な内容を持つ文章を少しずつ築き上げていった。

建築にも似た作業を少しずつ積み重ねていった結果、本日の夕方に全ての修正がひと段落ついた。今週末の土日にもう一度文章を読み返し、論文アドバイザーのサスキア・クネン教授に日曜日中にドラフトを送りたい。いよいよ先生とのミーティングも残すところ二回となった。 今回の論文の執筆を通じて、学術論文を創造することについてより考えを深めていく必要があることを痛感した。特に、それは学術論文を執筆する意義に関するものであり、また、方法論的なことでもある。

やはりまだ私には、論文を執筆することに関する思想が欠如しており、論文作成の方法論を構築するには至っていない。前者の思想に関する問題は幾分厄介であり、「そもそも科学の目的とは何なのか?」「科学的な知の意義とは何なのか?」という問題にまで掘り下げて考えなければならない。

そして、科学的な知をより客観的な知へ発展させていく際の方法についても哲学的な問題とぶつかる。つくづく科学的な営みと哲学的な営みは、切っても切れない関係にあると思わされる。 今後の私がやるべきことは二つある。一つには、学術論文の創出に関して、思想的かつ方法論的な問題をより明確ないくつかの問題に分けて考えていくことだろう。

今の私はあまりにも漠然とした問題に取り掛かりすぎている。それゆえに、論文の創出に関する自分なりの思想体系と方法体系の構築が遅れているように思うのだ。

小説家の辻邦生先生が、小説に関する思想的・方法論的な無数の問題と一つ一つ向き合い、『小説への序章』を執筆したように、私も同様のプロセスを辿って、学術論文に関する思想的・方法論的な問題と一つ一つ向き合っていきたいと思う。

そのためには、日々の研究活動を通じて得られた洞察や疑問を逃さず日記として書き留めておくことが有効だろう。日記の中で、それらの洞察から得られた新たな考えを書き留め、直面した疑問に対する現時点での回答を提示しておくことが不可欠だ。

そして、もう一つ私がやるべきことは、言うまでもなく、論文を書き続けるということだ。これが何よりも重要である。

学術論文という作品を残すという営みは、研究者自身にとってみれば、それはさらなる研究を展開させていくための触媒として機能する。ここで重要なのは、作品を形として残さなければ、触媒としての発達作用が生まれないということである。

言い換えると、形として論文を残さないということは、さらなる展開の足取りを止めてしまうことを意味する。それは研究者自身の発達の歩みを止めることに等しい。

とにかく私は、今後も学術論文を書き、その過程で得られた洞察と疑問に絶えず向き合い、一つの作品が次の作品へと自発的に流れていく運動の中で生きたいと思う。決して歩みを止めるわけにはいかないのだ。 外側の真理から内側の真理に到達するために学術論文を書き、内側の真理から外側の真理に到達するために日記を書き続ける。それらは互いに独立していながらも、相互に影響を与え合っており、普遍性に向かうための運動を推し進めるための行為であることに変わりはない。

普遍性に向かう運動と一寸の隙間もなく合一を果たせるように、私は文章を書き続けたいと思う。2017/5/5

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