952. 二転三転する研究論文


今日は、午前中から修士論文の執筆に取り組んでいた。昨日に引き続き、今日の午前中も相当試行錯誤を強いられていた。

教師と学習者間の発話レベルにおけるシンクロナイゼーションを分析するために、「交差再帰定量化解析(CRQA)」を適用していたのだが、その分析結果の解釈が難航していた。

本来であれば、CRQAを用いることによって、教師の発話レベルが学習者の発話レベルを先導しているのか後追いしているのかという度合いや、教師と学習者の発話レベルがどれほどシンクロナイゼーションを起こしているのかなどを分析することができる。

しかしながら、結局私がこの手法に関する原理を適切に把握しておらず、同時に、この手法に関する深い知識を持っていないがゆえに、当該箇所の文章の構造にぐらつきが見られ、さらには、その内容に深さが欠如していたのが見て取れた。

なんとか複数の論文と専門書を往復しながら、論文の執筆に必要な知識を構築していこうとしていたのだが、知識体系というものはそんなに早急に獲得されるものではない。午前中から夕方にかけてもがき続けていたのだが、最終的には打つ手が見つからなかった。

やはりCRQAについては、根本原理を自分の中で咀嚼し、結局この手法が何をどのように明らかにするものなのかに関する理解をじっくりと深めていく必要があると思った。非常に残念だが、CRQAは今後の発達研究で活用しようと思う。

CRQAに関する私の知識体系が不十分とはいえ、これまでかなりの時間をかけて論文や専門書を読み進めてきたのは確かである。また、プログラミング言語のRを活用しながら専用のコードも試行錯誤しながら書いていた。

今回の研究でCRQAを活用することがなかったとしても、これまでの過程で身につけた知識やプログラミングスキルは今後の研究で必ず役に立つだろう。さらには、これまでCRQAに関して執筆し続けていた論文の文章も、今後の研究の中に組み込んでいくことができると信じている。

このように自分を合理化しながら、私はCRQAを今回の研究で適用することを諦めた。修士論文を書き上げた直後から着手する予定の論文には必ずCRQAを活用したい。 結局どのように論文の残りの箇所を執筆していくかというと、教師と学習者の発話レベルについても「状態空間グリッド( SSG)」を活用することにした。この手法は、教師と学習者の発話行動に対してすでに適用していたものだ。

教師と学習者の発話行動上の相互作用を一つのシステムと見なし、この手法を通じて、システムの挙動の柔軟性やアトラクター状態などを分析していた。当初は、発話行動上の観点からSSGを活用し、発話レベルについては、CRQAや「トレンド除去変動解析(DFA)」を活用する予定だった。

しかし、本日の方向転換を受けて、SSGという一つの分析手法に絞り、発話レベルについてもSSGを活用することにした。こうすることによって、教師と学習者間の発話行動というシステムの挙動とアトラクター状態と、発話レベルというシステムが持つそれらとを比較することが可能になる。

分析手法をSSG一つに絞ることによって、 “Method”について新たに文章を書き足す必要はなく、 “Results”のセクションも、発話行動の文章に従いながら分析結果を記述していけば良い。それを持ってようやく最後の “Discussion”セクションの執筆に至ることができる。

これまで論文アドバイザーのサスキア・クネン教授に論文の進捗状況を確認していただく際に、締め切りに追われることは一度もなかった。だが、今回は少しばかりこれまでと事情が異なっている。

何とか明日中に、”Discussion”セクションまで書き終え、明後日の夜にクネン先生に論文のドラフトを送りたい。2017/4/17

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