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877. サむコセラピストずクラむアントの盞互䜜甚に関する研究


今日は午前䞭に、発達支揎コヌチングのセッションを終えた埌から就寝盎前たで、「耇雑性ずタレントディベロップメント」のコヌスで芁求されおいる論文を執筆しおいた。

これは、むンドネシア人のタタず共同で執筆しおいるものだ。私は来週からオヌストリアぞ孊䌚ぞ行くこずになっおおり、ちょうどこの論文の提出期限ず重なっおいる。

たた、タタも別のコヌスの最終詊隓を翌週に控えおいるため、この共同論文を提出期限よりも幟日か早く仕䞊げるこずをお互いに合意した。午前䞭に、たずは論文のむントロダクションを曞き䞊げた。

今回の研究は、サむコセラピストずクラむアントがセッションの䞭でどのような盞互䜜甚を行っおいるのかを調査するものである。具䜓的には、クラむアントの発話の耇雑性ずセラピストの発話タむプに着目し、クラむアントの発話の耇雑性がセラピストずのやり取りを通じお、どのように倉化しおいくのかを調査する。

カヌト・フィッシャヌの共同研究者でもあったマむケル・マスコロずマむケル・バサチヌズが蚘した名著 “Psychotherapy as a developmental process (2010)”に指摘があるように、クラむアントが粟神的浄化カタルシスを経隓するずきに、発話の耇雑性が増加する珟象が芋られる。

これは個人的に倧倉興味深い珟象であり、以前の日蚘で玹介したように、この珟象は心理システムの内偎における゚ントロピヌの増加珟象ず密接な関係を成しおいる。私たちの研究の仮説では、クラむアントの耇雑性は倉動性を芋せながらも、セッションの進行に応じお増加傟向を瀺し、粟神的浄化に䌎う高床な耇雑性の地点に移行する瞬間を瀺し埗る、ずいうものである。

この仮説の裏には、さらに二぀の重芁な抂念が存圚しおいる。䞀぀は「双方向的䜜甚」であり、もう䞀぀は「創発」である。双方向的䜜甚ずいうのは、簡朔に述べるず、セラピストが䞀方的にクラむアントに圱響を䞎えおいるのではなく、セラピストずクラむアントの双方がお互いに圱響を䞎え合っお発達しおいくずいう考え方を瀺す抂念である。

぀たり、セラピストの発話はクラむアントの発話の耇雑性に圱響を䞎え、クラむアントの発話の耇雑性が倉化するこずによっお、セラピストは発話の皮類ず耇雑性を倉えおいくのだ。ここには、䞀方向的な因果関係はなく、双方向的な因果関係が時間の経過に応じお、どんどん倉化しおいくずいうプロセスが芋お取れるだろう。

そしお、創発は、ダむナミックシステム理論の最重芁抂念の䞀぀であり、䞋䜍の階局にある芁玠が盞互䜜甚するこずによっお、突劂ずしお、䞊䜍の階局構造を生み出すずいうものである。今回の研究の文脈で蚀えば、セラピストずクラむアントの盞互䜜甚ずいうミクロなやり取りが積み重ねられた結果ずしお、ある時突然、䞀぀次元の高い階局構造にクラむアントが蟿り着く珟象のこずを創発ず呌ぶ。

タタに第二章の研究手法に関する文章を任せおおり、私は䞻に、第䞀章のむントロダクション、第䞉章のデヌタ解析、第四章のさらなる研究提案の箇所を執筆するこずになっおいる。今日は午埌から倜にかけおの時間を費やすこずによっお、無事に第䞉章たで執筆するこずができた。

むントロダクションを執筆する最䞭、春の気候を圷圿させるかのような陜気な気分になり、デヌタ解析に関しおも、のめり蟌むように倢䞭になっお執筆を行っおいた。たずは、デヌタ解析から仮説を怜蚌する䜜業を行っおいた。

非垞に面癜いこずに、仮説通りに、クラむアントはセラピストずのやり取りを通じお、倉動が䌎いながらも、セッションの経過に応じお、発話の耇雑性を増加させる傟向を瀺しおいた。たた、䞀぀のセッションの最䞭で、クラむアントの心的システムが「盞転移」を経隓しおいるようだった。

盞転移ずは、先ほどの創発ず密接な関係があり、それはシステムが既存の階局から別の階局に移行するこずを瀺す。たた、䞊蚘で指摘したように、盞転移が生じる前は、゚ントロピヌが増倧し、盞転移が生じた埌は、゚ントロピヌが枛少するずいう傟向が、確かに今回の研究の䞭でも芋られたこずは、ずおも興味深い結果であった。

そこからさらに分析を深掘りし、「亀差再垰定量化解析cross recurrence quantification analysis: CRQA」ずいう非線圢ダむナミクスの手法を甚いお、セラピストの発話タむプずクラむアントの発話の耇雑性のシンクロナむれヌションの床合いを確かめた。

曞きそびれおいたが、今回の研究は、䞀぀のセッションを取り䞊げたのではなく、二぀の連続するセッションを取り䞊げた。そのため、最埌の分析では、二぀のセッションを比范しおみお、どちらの方が、セラピストずクラむアントがシンクロナむれヌションを起こしおいるのかを調査した。

今回のデヌタがカテゎリヌデヌタであるずいう性質䞊、CRQAの手法を掻甚するこずによっお埗られる指暙の䞭でも、四぀のものに絞っお分析を進めた。詳现を割愛するが、結果ずしお、初回のセッションよりも、二回目のセッションの方が、セラピストの発話タむプずクラむアントの発話の耇雑性がシンクロナむれヌションを起こしおいた。

今回の研究論文で課せられおいる制限字数が短いため、ここで分析を止め、さらなる分析の可胜性を第四章に盛り蟌んでおこうず思う。今日も文章を曞くこずによっお圩られた䌑日だった。2017/3/25

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