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849. システム的かつネットワーク的な発達


昨日もついつい自分を抑えることができず、少しばかり探究活動に精を出し過ぎていたようだ。今朝の起床時間は、七時であり、いつもより随分と遅い起床時間となった。

朝から雨がしきりに降り注いでいる。そのような状態で開始されたのが、今日という日曜日であった。 午前中に真っ先に取り掛かったのは、アルバート・ラズロー・バラバシが執筆した “Netowork sicence (2016)”の第五章である。本章では、バラバシと彼の協同者であるレカ・アルバートが創出した「バラバシ-アルバートモデル」が詳しく扱われている。

この専門書を読むのは、今回が一読目であるため、あまり細部に囚われず、本書の全体観を掴むような読み方をしている。というのも、私にはネットワーク科学に関する事前知識が微々たるものしかないため、細かな数式や細かな論点を追いかけていると、本書の読解が全く進まなくなってしまう。

そのため、午前中に第五章を読んでいた際も、現在の私の発達研究に直接的に関係しそうな重要箇所を自分で判断し、その箇所を咀嚼するように努めていた。システム科学とネットワーク科学を毎日少しずつ学ぶにつれて、ダイナミックシステム理論で言うところの「コントロールパラメーター」と、ネットワーク科学で言うところの「ハブ」という概念は、非常に近しい意味を持っていることに気づく。

コントロールパラメーターとは、あるシステムの挙動を左右する最も重要な要素(変数)を意味する。一方、ハブというのは、ネットワークにおいて、数多くのリンクを持つ結節点(ノード)のことを指す。

二つの概念が意味する内容は、完全に合致するわけではないのだが、いずれにせよ、コントロールパラメーターとハブは、システム全体やネットワーク全体に大きな影響を与えるという点においては、性質を同じにしているように思える。 先ほど第五章を読んでいた時に、特に考えさせられたのは、人間の発達をネットワークと捉えた場合に、発達を構成する様々な要素は、どれも重要性が同じではないということである。つまり、発達のネットワークには、ハブのような存在もあれば、リンクの数が乏しい単純なノードも存在しているということである。

ネットワーク科学の概念の一つに、「優先的選択(preferential attachment)」という興味深いものがある。これは、既存のネットワークの中に新たなノードが生まれる際に、それらのノードは、すでに多くのリンクを獲得しているノードを好み、それに引っ付こうとする特徴があることを示すものである。

優先的選択という概念は、ネットワークの世界において、まさに「富める者はますます富む」というマタイの法則を表すものだと言っていいだろう。この考え方を人間の発達に適用してみると、どのようなことが言えるだろうか。

例えば、知識体系の発達という現象を例にとると、今の私の内側には、発達科学という一つのノードが多数の知識項目と結びついていることがわかる。すなわち、私の内側にある知識体系にとって、発達科学が一つのハブのような役割を果たしているのである。

発達科学というハブを持っている自分の知識空間に、新たな知識が投げ込まれると、確かにそのハブに引き寄せられるような現象が起こっているのがわかる。例えば、今の私は、システム科学とネットワーク科学を同時並行的に探究しているが、それらの科学領域を通じて得られた新たな知識は、私がすでに持っている発達科学という既存のノードに結びつこうとする自発的な動きが見られるのだ。

発達科学の知識体系がより強固になればなるほど、そのハブの影響力は強さを増しているように思える。実際に、システム科学やネットワーク科学などの新たな知見を自らの知識空間に取り入れると、それらの知識項目は、発達科学というハブに連結するような動きを見せる。

さらに興味深いのは、探究が徐々に深まりつつあるシステム科学に関しては、単に発達科学のハブに知識項目が結びつくだけではなく、独自のハブを構築するような姿を見せていることである。流れとしては、システム科学の探究を始めた当初は、そこで得られた知識項目が散発的なものであったがゆえに、発達科学のハブと即座に連結するような現象を見せていた。

そこから、システム科学の探究が深まるに応じて、徐々に独自のハブが構成され、二つのハブ同士が結びつくような現象が自分の内側に起こっていることに気づく。私たちの知識体系というのは、このようにして育まれていくのだろう、ということを改めて実感するような体験だ。 当面、ネットワーク科学の探究を通じて得られる知識項目は、私の中で強い影響力を持っている発達科学のハブと連結するような動きを見せることになるだろう。ネットワーク科学の探究をこれから徐々に継続させていくことに応じて、いつかそれは独自のハブを構成することになるだろうと予感している。

私たちの知識体系は、このようにシステム的かつネットワーク的に構築されていくようだ。2017/3/19

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