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832. 論文の進展とさらなる探究に向けて


今日は、午前中と午後にかけて、研究論文の執筆を行っていた。夕方を迎えるまでに、計画通りに文章を描き進めることができた。

先ほどまで執筆に取り掛かっていたのは、論文の “Results”のセクションにおける「状態空間グリッド」に関する部分である。このセクションでは、自分の見解を盛り込むのではなく、あくまでも研究手法を通じて得られた分析結果を記述的に執筆していく必要がある。

状態空間グリッドを用いて分析をしてみたところ、大変興味深い結果が得られた。今回の研究対象は、成人のオンライン学習であることを、これまでも何度か書き記していたように思う。

得られた結果というのは、端的に述べると、やはり私が仮説を立てていたように、教師と学習者のやり取りは、アトラクター状態を生み出している時があり、その状態の強さには差があるということがまずわかった。

分析の最初のステップとして、教師と学習者の相互作用を一つのダイナミックシステムと見立て、システムの挙動を分析してみたところ、非常に安定的な挙動を見せるクラスと、変装性の激しいクラスが見られたのだ。

特に、最も安定しているクラスと最も変動性の激しいクラスに焦点を当て、さらに分析を続けてみた。状態空間グリッドは、視覚的にも便利なツールであり、システムの挙動をビジュアルで把握することができる。

例えば、どの相互作用(教師と学習者の行動の組み合わせ)が頻繁に見られ、どのようなパターンでシステムが動いているのかを視覚的に捉えることができるのだ。こうした視覚的な分析を行ってみたところ、興味深かったのは、挙動が最も安定しているクラスと挙動が最も不安的なクラスは、共通して一つのアトラクター状態を持っていることがわかったのだ。

その後さらに分析を進め、二つの挙動が同じアトラクター状態を持っているのであれば、それではその強さはいかほどだろうか、という観点で分析を行った。すると、両者は同じ種類のアトラクター状態を示しながらも、その強さが全く違ったのである。

強さの違いに関する要因と理由については、もはや状態空間グリッドというツールを活用しては踏み込めない領域だと思うので、それについては、自分の見解を述べる “Discussion”のセクションの中に盛り込んでいきたい。

午前中のランニングをしながら、当初はあと二つほど「トレンド除去変動解析(Detrended Fluctuation Analysis: DFA)」と「交差再帰定量化解析(Cross Recurrence Quantification Analysis: CRQA)」を活用する予定だったのだが、状態空間グリッドを含めて、三つの分析手法を活用した場合、首尾一貫した統一的な論文ストーリーを構築するには、規定の分量を超えてしまうだろうと思った。

幸いにも、状態空間グリッドと交差再帰定量化解析に関する連結は、ストーリーとして比較的容易だという直感がランニング中にもたらされた。そこから、果たしてその直感を裏付ける説得力のあるストーリーが本当に作れるのかを、走りながら少し考えていた。

すると、頭の中でストーリーがひとりでに走り、二つの分析手法の関連が明確になったので、交差再帰定量化解析については、当初の計画通りに論文に盛り込む方針を採用したいと思う。

現在、非線形ダイナミクスを専門とするラルフ・コックス教授に依頼した、交差再帰定量化解析の結果がMATLABとRで正しく合致しているのかを比較してもらう結果を待っている。今回の研究のおかげで、プログラミング言語のRを用いて交差再帰定量化解析を行うことに関して随分と習熟したように思う。

その分析はもはや簡単に行えるようになったので、夕食前に、一つ残していたデータセットに対して、Rを用いて交差再帰定量化解析を実施しておきたいと思う。 それが終わったら、自分に少しばかり褒美を与えたい。褒美として、先日購入した、読みたくてしょうがなかった “Principles of Systems Science (2015)”という、システム科学に関する800ページ弱に及ぶ専門書をこれから貪るように読みたいと思う。

この書籍の出版社であるSpringerは、本当にどの専門書も玄人を満足させる充実した内容を含んでいる。今日から少しずつこの専門書を読み、システム科学に関する理解を深める一方で、引き続き、アルバート・ラズロー・バラバシが執筆した “Netowork sicence (2016)”というネットワーク科学の専門書を読み進めていきたい。

こちらも私のお気に入りの出版社であるCambridge University Pressが出版したものである。これらの二つの専門書は、人間の発達をシステム科学とネットワーク科学の観点から探究しようとする私にとって、今後もなくてはならないものになるだろう。2017/3/14

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