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807. ブダペストでの探究活動の可能性


今日は夕方から、京都大学から来た日本人留学生の送別会があるため、午前中に集中的に仕事を進めていた。その一つとして、ネットワーク科学の専門書を読んでいた。

これは以前紹介した、ネットワーク科学の代表的な研究者であるアルバート・ラズロー・バラバシが執筆した “Netowork sicence (2016)”というテキストである。今このテキストを毎朝少しずつ読み進める過程で、ダイナミックシステム理論に遭遇した時と同じような感覚に包まれている。

ネットワーク科学は間違いなく、人間の知性や能力の発達研究に多大な貢献を果たすということが直感的にわかったのだ。ただし、いかんせんこの領域に関する専門知識が不十分なため、実際の研究の中にネットワーク理論や諸々の手法をどのように活用していくのかについて、具体的な考えはこれから詰めていく必要があるだろう。

今はそうした具体的な活用方法などはさほど重要ではなく、とにかく、ダイナミックネットワークとして私たちの知性や能力を捉えることは、それらをダイナミックシステムとして捉えることと同様に重要であるという確信がある。

もちろん、今の私が時間とエネルギーを優先的に当てる必要があるのは、システム科学(一般システム理論からダイナミックシステム理論までを含む領域)に関する探究を進めていくことである。これを蔑ろにしてはいけない。

システム科学の探究に並行させる形で、少しずつ焦らずネットワーク科学の探究を進めていきたい。バラバシのテキストを読みながら、システムとネットワークというのは密接に関係している概念であり、実際の現実世界においても、ありとあらゆるところでシステムとネットワークが関係していることがわかる。

純粋な学術研究のみならず、実用面においても、システム科学とネットワーク科学は、現代社会において非常に重要な分野なのだと思う。午前中にバラバシのテキストの第一章を読んだ時、彼が研究を始めた当初、ほとんどの科学者がネットワーク科学の有用性に気付いていなかったことが伺える。

実際に、「ネットワーク科学」という言葉が誕生したのも、この10年以内のことだと知った。私が感銘を受けたのは、専門としていた物理学を離れ、自分の純粋な関心と情熱に従ってネットワークの研究に乗り出したバラバシの姿である。

特に、何年もの間、科学コミュニティーから相手にされず、主要な科学ジャーナルに論文を投稿するものの、常にリジェクトされながらも、最終的には、最も権威のある科学ジャーナルであるNatureとScienceに論文が掲載された一連のストーリーには、私の胸を掴むものがあった。

個人的に、彼のような熱感を持った研究者を私は好む傾向にある。同時に、逆境を乗り越えながら彼が残してきた功績は、尊敬に値すると心から思う。

バラバシのストーリーを読み、このテキストの中身に入っていけばいくほど、ネットワーク科学の世界に引き込まれそうになっている。このテキストでも触れられているが、ネットワーク科学を専門とした博士課程のある大学院は、現在、世界に二つほどある。

一つは、ボストンにあるノースイースタン大学である。そしてもう一つは、ネットワーク科学の博士課程を世界で最初に設立した、ハンガリーの中央ヨーロッパ大学である。

ここは、実際にバラバシがプログラム長を務めている大学だそうだ。このテキストを全て通読し、ネットワーク科学が発達研究に対して具体的にどのような応用可能性を秘めているのかがわかり始めたら、本格的にネットワーク科学の探究を始めるかもしれない。

その時にはもしかしたら、私はブダペストにある中央ヨーロッパ大学で学びを得ている可能性もあるだろう。2017/3/5

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