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797. 非線形的な動きに魅せられて


小鳥の小さな鳴き声が辺りに鳴り響いている。私にとって、小鳥の鳴き声にそっと耳をすませることは、早朝の一つの楽しみになっている。

不思議なもので、今聞こえてくる鳴き声は、午後になると聞こえてこない。午前中に教授とのミーティングや講義があるときに、キャンパスを訪れる際に必ず通るノーダープラントソン公園には、いつもこの小鳥と似たような鳥たちが、小さく、それでいて非常に美しい鳴き声を辺りに響かせている。

公園を歩きながら小鳥の鳴き声を聞くことは、私の心を和らげ、何とも言えない幸福感をもたらしてくれる。小鳥の鳴き声のおかげもあり、一日のうち、早朝や午前中の時間は、常に静かな幸福感に包まれながら仕事に取り組むことができる。

昨日は、非線形ダイナミクスの研究手法に関する論文を読み、研究データにそれらを適用する作業に多くの時間を使っていたように思う。今回の研究では、プログラミング言語のRを駆使して、それらの応用数学の手法を活用しているため、一時期熱心に学習していたRの操作勘を取り戻し、そのスキルが徐々に向上している様子を見てとることができる。

発達心理学の世界に足を踏み入れた当初から考えると、このようにプログラミング言語や応用数学の手法を用いて発達現象を研究している今の姿は、全く想像できないことである。

しかし、発達現象というものがそもそも非常に複雑な現象であり、発達の始点と終点を比較するような方法では、発達のメカニズムもプロセスも一切解明することができないことを考慮すると、時系列データに非線形ダイナミクスの手法を適用している今の自分の姿は、全くおかしなことではないと思う。

発達現象のプロセスやメカニズムを明瞭にするためには、時系列データが必要であり、それを解析するためには特殊な手法が必要になる。今の私が特に理解を深めようとしているのは、そうした特殊な手法の活用方法とその背後にある理論である。

時系列データを解析するための手法は、非常に多くのものがある。昨日から少しずつ読み進めていた書籍は、Rを用いて時系列データの将来予測をすることを目的に執筆されたものであり、この書籍で取り上げられているデータは、どれも金融に関するものである。

昨日も、書籍や論文のみならず、インターネット上でも時系列データの解析方法についてあれこれと検索をしていたが、計量経済学や金融工学の領域において、非線形ダイナミクスの手法を用いた時系列データの解析が盛んに用いられていることに改めて気づいた。

計量経済学や金融工学は、私が日本の大学で学部時代を過ごしていた時の関心事項に当てはまるものであるため、昨日目を通してた書籍は、当時の私の関心を再び喚起するような役割を果たしていた。

興味深いことに、経済や金融の現象そのものにはもはやそれほど関心はないと思っていたのだが、それらの現象とそれらに付随するデータを解析することには、私の中で独特な喜びが引き起こされることに気づいたのだ。

もしかすると、私は、人間の発達現象と同様に、経済や金融の現象が示す非線形的な「動き」そのものに魅せられているのかもしれない。ダイナミックに動く現象は、なぜだが私の関心を強く引き付けるのだ。

それは、そこに私が生命の躍動を見出し、それを感じているからなのかもしれない。いずれにせよ、今日も愚直に、非線形的な動きを捉えるための研究を進めていきたいと思う。2017/3/3

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