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786. 研究の進捗状況

March 22, 2017

今日は朝一番に、論文のアドバイザーのサスキア・クネン先生の研究室を訪ねた。クネン先生の支援のもとに研究を進めてきたおかげで、この半年間において、一度も研究が滞るようなことはなかった。

 

現在取り掛かっている研究もこれから大詰めの時期に入る。今日は、先週に私が送っておいた論文の前半部分について、クネン先生からフィードバックを受けることからスタートすることにした。

 

日本語の文章と同様に、私の英語の文章にも、改善の余地は多分に残されており、文書を書く能力は一生涯にわたって開発していくべきものであると認識している。そもそも、文書を書く能力というのは、その個人の内面の成熟に応じて絶えず進化と深化を遂げるべきものであるから、一生涯にわたって己の文章を磨き続けるというのは当たり前のことだと思う。

 

私は、自分の人格の未成熟さと専門性の未成熟さを絶えず念頭に置いておく必要があるだろう。

私の文章に対するクネン先生からのフィードバックは、とても好意的なものだった。実際に、内容面を除き、表現に関して修正を加えられることは一切なかった。

 

そのため、こちらから幾つか先生に質問を投げかけてみた。今回の研究では、若干欲張り過ぎている印象を拭い去れないが、ダイナミックシステムアプローチや非線形ダイナミクスの中の三つの手法——状態空間分析、フラクタル尺度解析、交差再帰定量化解析——を適用することにしている。

 

論文の前半部分を執筆している最中、これらの研究手法を最初にどこで簡単に触れるべきか迷っていたのだ。詳しい説明に関しては、 “Methods”のセクションで記述すればいいと思っていたのだが、そのセクションでいきなりそれらの手法を説明し始めると、少しばかり文章間にギャップが生じると感じていた。

 

この点に関して、クネン先生に質問をすると、今後の方向性がより明確になった。論文の前半部分は、今回の研究で取り上げる最重要概念と理論を説明するという、幾分抽象的な内容になっている。

 

その後に、リサーチクエスチョンを挿入すると、抽象から具体に飛躍しすぎている感覚があった。このギャップを埋めるために、前半部分における概念や理論の説明をする時に、各々の項目の最後に、それらの概念や理論とリサーチクエスチョンと研究手法を架橋させるような説明を挿入すると良いのではないか、というフィードバックを得た。

 

これを行えば確かに、論文が後半部分へ移行する際の違和感を解消させることができると思った。変動性という概念を説明する箇所において、変動性とはそもそもどのような現象であり、それはこれまでの発達研究でどのようなものとして扱われていたのか、ダイナミックシステム理論を活用する近年の研究者の間では、どのように変動性が扱われているのか、変動性に関する先行研究はどのようなものがあるのか、変動性に関して、既存の研究に欠けている視点は何かについては、すでに論文の中に盛り込んでいた。

 

ただし、それでは、変動性が自分の研究の中でどのように扱われるかが不鮮明になってしまう。確か、変動性を扱う重要性は何なのかについては、リサーチクエスチョンのセクションの中で簡単に触れている。だが、こうした記述を論文の前半にも組み入れておかなければ、文章の流れが悪くなってしまう。

 

その他にも、アトラクター状態やシンクロナイゼーションという現象は、私の論文の中で鍵を握っており、それらについても同様に、論文の前半部分の中で、自分の研究と絡めた記述を追加しておく必要があるだろう。これはすぐにでも取り掛かりたいと思う。

その次に取り上げたのは、今回の研究で焦点を当てている教師と生徒間の行動分類に関する分析についてである。私の方で独自に分析システム(コーディングシステム)と分析マニュアル(コーディングマニュアル)を作成し、それらをもとに、クネン先生にもデータに対して分析を行ってもらった。

 

ここで行っていたことは、データに対する測定者間の信頼性を計測することである。50個の会話データに対して、分析マニュアルをもとに、お互いに分析をし、その結果を照合させるということを行った。

 

幸いにも、分析結果がずれたのは4個だけであり、非常に高い信頼性を持つ分析システムを作ることができたと思う——後ほど、Rを用いて測定者間信頼性の数値を算出しておく必要がある。

 

今日のミーティングの中で、結果がずれた四つの会話データに対して意見交換をし、分析上の観点がどのようにズレていたのかを確認した。実際の論文の方法論のセクションの中で、四つのズレについて報告し、測定者間信頼性の値を示すのみならず、四つのズレの原因とそれらをどのように解決させたのかについても報告をしておく必要がある、という助言を先生から得た。

 

今後、私がこの分析システムを活用する際にも、結果がズレた箇所をどのように解決させたのかを記載しておくことは有益だと思う。

最後に取り上げたのは、状態空間分析についてである。先週は、状態空間分析に関する優れた専門書である “State space grids: Depicting dynamic across development (2013)”を丹念に読み込んでいた。

 

以前の学期に履修した「複雑性と人間発達」のコースの中で、状態空間分析を実習で扱っていたのだが、その時はすでに出来合いのデータセットに対してこの手法を適用していた。そのため、今回のように、状態空間分析のソフトウェアを活用するためのデータファイルを自分で作るというのは、私にとって初めてのことだった。

 

この専門書を読みながら、データファイルを作ってみたが、ソフトウェアをうまく起動させることができず、データファイルの作成に関して何らかの手違いがあるようだった。この手違いについてクネン先生に意見を求めていた。

 

この手法については、その他の専門家がフローニンゲン大学の心理学科に在籍しているようなので、その教授を紹介してもらった。今週か来週中にその教授とミーティングを行い、状態空間分析に関する上記の問題を解決させておきたい。

 

それができれば、論文の “Results”と “Discussion”のセクションまで一気に書き進めることができる。2017/2/27

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