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723. オランダの博士課程事情と査読付き論文へ向けて


今日は午前中に拙書『なぜ部下とうまくいかないのか:自他変革の発達心理学』に関するインタビューを受けさせていただき、その後、私が所属しているプログラム長のルート・ハータイ博士の研究室に足を運んだ。

ハータイ博士と私は年が一つしか変わらず、友人のような存在でもありメンターのような存在でもあるという関係から、親しみを込めてここでもルートと記しておく。ルートの研究室に足を運んだ理由は、今所属しているプログラムの最初の学期を終えてみて、どのような感想を持ったかに関するインタビューを受けるためであった。

本日二回目のインタビューとなったが、終始一貫してルートとは様々な意見交換をした。正直に評価してみても、私が所属しているプログラムは文句のつけようがないぐらい充実したものだと言える。

教授陣からのサポートも手厚く、自分の研究に関して、私がある分野の専門家を探せば、十中八九その道を専門としている教授が在籍しており、すぐに面会をすることができる。実際にこれまでも、様々な教授陣から研究上の助言をいただいてきた。

本日学内のカフェテリアに立ち寄った際に、分野の異なる何人かの教授たちが和気あいあいとランチテーブルを共にしている光景を目撃した。このように、分野の垣根を越えて、多様な研究者が交流を図っているというのは、とても望ましいことのように思えた。

異なる分野を専門とする人たちとのやり取りは、やはりお互いの研究アイデアを刺激しあうことにつながるであろうし、異なる観点から自分の専門領域を深めていくきっかけにもなると思われる。だが彼らの姿を見ていると、実際のところは、自分の研究に有益だからという理由で他の教授たちとランチを共にしているというよりも、純粋にランチを通じた対話をお互いに楽しんでいるように私には思えた。

ルートとのプログラム評価に関するインタビューの中で、一つだけ気になる点があったのでそれを共有しておいた。それは、このプログラムが終了した後の博士課程進学の可能性についてである。

基本的にオランダの大学院では、アメリカや日本の大学院と異なり、毎年博士課程の募集をしているわけではなく、教授陣が国や企業から助成金を獲得できた場合にのみ、それぞれの教授が博士課程のポジションを設ける仕組みになっている。

確かにアメリカの一流校の博士課程においても、ティーチングアシスタントなどの仕事を通じて給料が支給される。オランダでも当然ながら給料が支給されるが、それはアシスタント業務に対して支払われるのではない。

それよりもむしろ、オランダの大学院では、博士課程に所属する者を学生としてみなすのではなく、研究者としてみなしているがゆえに、研究に対して給料が支払われるのだ。

こうしたことからも、オランダの研究大学院で博士課程のポジションを得ることは相当に困難だということがわかる。実際に、私が所属している学科において、博士課程の研究者を雇おうとしている教授は今年の場合、三名ほどらしい。

そして、その三名の枠に関しては、当然ながら、研究者としての技量の優れたものが雇用される仕組みになっており、私が所属している修士課程よりも、研究だけに特化した二年間の修士課程に在籍している者の方が有利なのは確かである、という話をルートから聞いた。

ただし、仮に私が優れた研究の実績を示すことができれば話は別とのことであった。基本的に、研究に特化した修士課程の者たちですらも、在籍中に査読付き論文を執筆することはほとんどないため、やはり今取り組んでいる修士論文を発展させる形で、今年中に最低でも一つの論文を査読付き論文として、どこかのジャーナルに掲載してもらえるように尽力する必要があるだろう。

とにかく今年は、科学論文を執筆することに特化したリズムを掴み、論文執筆方法を自分なりに体系化していきたいと思う。2017/2/7

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