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720. 底なしの明るさの中で生きることと研究の進展


今日は三週間ぶりにクネン先生とのミーティングがあった。先週は、クネン先生が休暇を取り、スペイン領の島を家族と訪れていたため、ミーティングがなったのだ。

今朝、先生とのミーティングに向けて自宅を出発した私は、歩いている最中、絶えずこみ上げてくる笑いをこらえることができなかった。というのも、非常に些細なテーマに基づいて知人とテキストメッセージでやり取りをしており、返信のメッセージの草稿を頭の中で考えていると、その内容が自分でも可笑しくなってしまい、笑いをこらえることができなかったのだ。

ここからも、やはり自分の根幹には、底知れぬ陽気さが存在していることがわかった。自分が持っている底知れぬ陽気さについて考えていると、モーツァルトも底なしの明るさを持っていたという話を思い出した。

モーツァルトの人生そのものは、苦難の連続であったという話をよく耳にするが、それでも彼は陽気さを忘れることなく日々を形作っていった、ということも耳にしている。モーツァルトのそばには、絶えず死が存在しており、実際に35歳という若さでこの世を去っている。

モーツァルトに私が惹かれるのはもしかすると、絶えず死の意識の中で、死を超える生の底なしの喜びと明るさを持ちながら、日々の仕事に打ち込んでいた姿勢にあるのかもしれない。私もできることなら、モーツァルトのように、湧き上がる抑えがたい喜びと明るさを持って、疾走の中で生を形作りたい。

飛び上がるような躍動感の中で、一日一日を、一瞬一瞬を生きるためにはどうすればいいのだろうか。そのようなことを考えながら、私はクネン先生が待つ研究室に向かっていた。

先生の研究室に到着すると、何やら二人の先客がいた。後で先生から話を聞くと、その二人は別の大学の教授であり、既存の大学院プログラムの見直しに関して、クネン先生に助言を求めに来たそうだ。

そうした雑談とともに、先生がスペイン領の島を訪れた話を聞き、私の第二弾の書籍の中で先生の仕事について言及した箇所があるという話をした。そのような話題に花が咲いたところで、私たちは本題に移った。

まずは、私が先日執筆した「コーディングシステム」に関する章の添削をもとに、色々と助言をもらった。学術論文を執筆する時の私は、贅肉の削ぎ落とされた簡潔かつ明瞭な文章を執筆していくことを意識しており、選択する語彙に関しても、その文脈に適した最も密度が濃いい言葉を用いるようにしている。

しかし、今回の章では少々文章を簡潔なものとしすぎたようであり、抽象性が不必要に高まってしまい、それが明瞭性を濁らせることになってしまったようだった。そのため、この章については、教師学習間の行動分析を行うシステムをどのように構築したのかに関する説明を付け足し、フィッシャーのダイナミックスキル分析を活用したシステムを構築したプロセスについて説明を加えていく必要がある。

この点について議論をした後に、先々週から先週にかけて私が適用していた「交差再帰定量化解析(CRQA)」という非線形ダイナミクスの手法に関する実験結果について簡単に報告をした。今回の研究に照らし合わせると、この手法は、教師と学習者の行動に関する二つの時系列データと、スキルレベルに関する二つの時系列データに対して、それらがどれほどシンクロナイゼーションを起こしているのかを解析するものである。

端的に言えば、交差再帰定量化解析を用いれば、二つの時系列データの同調度合いがわかるのである。これは非常に興味深い手法であり、各回のクラスそれぞれで、シンクロナイゼーションの度合いに違いがあるのかないのかを分析することができる。

教師学習間のシンクロナイゼーションの度合いが高いクラスとそうでないクラスにおいて、何がそれを生み出しているのかを特定することができれば非常に面白いと思っている。交差再帰定量化解析については、クネン先生よりも、以前のコースでお世話になったコックス教授の方が詳しいとのことであり、来週あたりにでもコックス教授に使用するデータの形式や解析結果の解釈についてあれこれ質問をしたいと思う。

そして最後に議論をしたのは、交差再帰定量化解析以外にも、「状態空間分析」を活用するのはどうかというアイデアである。状態空間分析を用いることは以前も少しばかり考えており、いったんはその考えを保留していたが、今日改めてクネン先生の話を聞くと、こちらの分析手法も活用してみようと思った。

というのも、状態空間分析を用いれば、教師と学習者という二つのシステムが状態空間の中で、アトラクター状態にあるのかそうでないのかを、どのタイミングでアトラクターから抜け出たのかを含め、二つのシステムのやり取りの推移を観察することができる。

要約すると、二つのシステムのやり取り(行動とスキルレベルの双方)の推移を状態空間内で観察し、そこから交差再帰定量化解析を用いて、二つのシステムのシンクロナイゼーションの度合いを分析することを行いたい。そこからさらに、分析結果をもとに新たな研究につながる理論仮説を構築していきたいと思う。2017/2/6

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