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623. オーロラと統一体


今年のクリスマスイブは成田行きの機内の中で過ごした。今回はアムステルダムからヘルシンキを経由して成田に向かう便であった。

北欧路線の搭乗中に、運が良ければオーロラが見えると前々から聞いていたため、あえてパリ経由やフランクフルト経由ではなく、今回の路線を選んでいた。それぐらい今回の搭乗で、オーロラが見えることを楽しみにしていたのだ。

オーロラを見ることができるのであれば、てっきり北欧の上空で見られるものだと思っていたが、実際はロシアの上空の方がよく見えるらしい。結局、今回は天候の都合上、機内からオーロラを見ることができなかった。

オーロラについて親切に説明をしてくれたCAの方曰く、何やらオーロラの発生状況がわかるアプリがあるそうだ。そのアプリを用いたところ、帰りの便が一番オーロラが見える確率が高いとのことであった。

未だかつてオーロラをこの目で見たことがないので、帰りの便の楽しみがまた一つ増えたことは喜ばしい。それにしてもオーロラは実に神秘的な現象である。

その発生メカニズムがわからなかったので改めて調べてみると、電子とイオンで構成された「太陽風」と呼ばれるガスが太陽から放出され、それが地球に到達し、大気中の原子と衝突することによって、原子が興奮状態になり、美しく発光し、それがオーロラだということである。

何かが私たちに衝突し、その衝突によって私たちの中で揺らぎと共に、ある種の興奮状態が生み出され、それが私たち自身を光らせることと同じように思えた。自然の中にある神秘的な現象から、人間の中にある神秘的な現象について学ばされることがいかに多いことだろうか。

オーロラについてぼんやりと考えていると、日本に一時帰国してから早いもので五日経っていることに気づいた。昨日まで家族で島根県に訪れていたのだが、この五日間は地理的に様々な場所に自分がいたように思う。

フローニンゲン、アムステルダム、ヘルシンキ、銀座、日本橋、山口県、島根県というように、それらの地域から一つの法則性を見出すのが難しいぐらいに多様な場所で呼吸をしていた自分がいるのだ。

それらの地域が醸し出す雰囲気や景観は、当然ながら異なる。しかしながら、それらの地域はどれも同じ惑星に所属するものであり、観想的な意識を私に喚起するという点においては全く変わりない。

もはやどの国やどの地域に行っても、揺るがずにそこにいる自己の存在を疑うことなく感じることができるのだ。それらの地域は、私に対して、揺るがぬ自己の存在を教示してくれるものであり、同時に、私という自己がそれらの地域であることを教示してくれるものであった。

多様な国や地域に身を置くことに対して、以前のような精神的な錯乱はもはやない。自己という一つの大きな波の中に、それらの国や地域が包摂され、自己と場所が一つの統一体をなしているのがわかる。

この統一体が存在するがゆえに、もはや私はこの惑星の中で、常に観想的な意識を持って日々の生活を形作ることができる気がするのである。2016/12/30

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