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608. 適切な距離感


昨日は、ほぼ一日中、第二弾の書籍の執筆に取り組んでいた。当初の予定通り、毎日決められた分量を着実に執筆していく、という方針に従っている。

当初の構成案に従って、重要なことをだけを盛り込むようにしていても、書籍の中に盛り込みたい内容が無数に湧き上がってきてしまう。「何を書くか」ということよりも、「何を書かないか」の方が、今の私にとっては重要な判断項目のようである。 今回の書籍は、結局、最初の構想で考えていた対話形式を採用しないことにした。対話形式は、二人称の言語であるという性質上、親しみやすいという性格を兼ね備えていながらも、前回の経験上、盛り込みたい論点の数が減ってしまったり、より詳しい説明がしにくい、という特徴を持っているような気がした。

今回の書籍は、盛り込みたい論点と詳しい説明を要する概念が多数存在するということを考え、三人称言語を中心に、時折、一人称言語を交えていきたいと考えている。三人称言語だけで文章を進めていくのは、学術論文のようなテイストになり、非常に単調である。

一方、一人称言語だけで文章を進めていくのも、単なる独白のようなものである。文章にも「変動性」を盛り込むことが必要だと考えているため、読者の方への問いかけを含めた二人称言語を含めると、結局、三つの人称言語を織り交ぜることができそうだ。

全ての人称言語を活用することによって、単調な文章のリズムになることを避けたいと思う。今回は、書籍のテーマの都合上、「エクササイズ」や「コラム」のようなものを多数設け、文章の変動性をより確保したいと思う。

文章を書く意義や意味について、この一年の間、考えさせられることが多かった。その結果、何をすれば自分の文章が書けるようになるのか、そして、何をしたら自分の文章が書けなくなるのか、ということがもはや明確になっている。

さらに、どのような状況や条件の中で文章を書くのかということが、自分の文章を書けるのかどうかの大きな要因になっていると突き止めることができた。私の知人が以前、書籍を執筆することは、社会への慈善活動である、と述べていた。まさにその通りだと思う。

自分が書籍を書く目的の一つに、やはり「共有」や「伝承」のような概念が密接に関係しており、それは利他的かつ奉仕的な側面を強く持っている。今回の書籍ではまさに、日本ではまだ紹介されていない知性発達科学の知見の中で、能力の成長や開発に資する概念や方法を共有することが目的とされており、共有された知識を様々なところで活用してほしい、という想いがある。

こうした想いのもとで文章を執筆しようとするときに、自分の中で大事なことは、適切な距離であった。つまり、社会に対して何かを贈り届けようとする際に、社会から適切な距離を取らなければならないことに気づいたのだ。

この距離は近すぎでもダメであり、遠すぎでもダメなのだ。自分の中で最適な距離が明瞭になり始めた、というのがまさに上記の発見の一つである。

日本社会に対して、何らかの貢献をしようと思うのであれば、自分の場合、適切な距離を常に保っていなければならないようだ。それは物理的な距離であり、そして、多分に精神的な距離である。

獲得しつつある適切な距離感をもとに、今後とも明確な意思を持って、文章を含め、日本社会へ何らかの奉仕を行いたいと思う。2016/12/13

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