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522. 内面と仕事の自己展開


今日の仕事を全て終え、一日を振り返ってみると、本日も非常に充実した日であったことがわかる。仕事の成果が目に見える形で現れているわけでは決してないのだが、仕事が確実に前に進んでいる、という推進力のようなものを感じている。

こうした手応えを持ちながら、日々の仕事に取り組めているのはとても有り難い。そのような推進力の波に気づき、その波に巧く乗ることができていれば、仕事が自己展開をするかのように進展していくのである。

今の私は、こうした波の存在に気づき、それに巧く乗る方法のみならず、波そのものを生み出す方法を、自分なりになんとなく掴めてきているのだ。こうした感覚を掴めるようになってきたのは、オランダで生活を始めたことと強く結びついているように思う。

ここ最近、日々の日課の中に、研究データを眺めるということが加わりつつある。これは意識的に導入したものではないのだが、現在の研究で用いている定性・定量データを眺め、あれこれ思考を巡らせることの中に、純粋な喜びをどうやら私は見出しているようなのだ。

これまでは、自分の主たる研究と向き合う日というのは、毎日ではなく、数日間隔であった。その間に行っていたことは、大抵、主たる研究とは直接関係のない専門書や論文を読む、ということであった。

だが、現在は、毎日自分の主たる研究と向き合うようになっている。不思議なもので、毎日研究データを眺めるようになってから、少しずつではあるが、確実な進展が見えるようになったのである。

毎日、自己を観察し、自己を記述することによって、自己が自発的な展開を始めるように、日々、研究データを眺めることによって、研究が自発的な展開を始めるようになっているのだ。毎日の新たな進歩を実感する時、やはり研究というのは、彫刻を掘る作業に似ていると思う。

彫刻を少しずつ掘っていくことによって、形が現れてくるのと同様に、研究と毎日少しずつでも向き合っていくことによって、形が現れてくるのだ。昨日から今日にかけての進展は、教師・学習者間の行動マトリクスが完成したことである。

これは、教師のどのような働きかけが、学習者のどのような行動に結び付いているのかを示すマトリクスである。漏れることなく重なることのないマトリクスを作ることに苦戦していたのであるが、今朝研究データを眺めてみると、突然新たな概念カテゴリーを閃き、それを用いることによって、一応のマトリクスが完成したのである。ただし、もう少し洗練させておきたい箇所があるのも事実であるため、引き続き研究データを眺めながら、あれこれと思考を巡らせたいと思う。

自己展開をする人間が営む活動だからなのかもしれないが、研究という営みが持つ自己展開力には不思議なものを感じる。これは研究に限らず、どのような仕事にも当てはまることなのだろう。

私たちの内面が、自己展開をしながら成熟の方向へ向かっていくのと同様に、私たちが行う具体的な仕事も、自己展開をしながら成熟の方向へ向かっていくことは、何か重要な真理がそこに隠されていると思うのだ。

この真理を見逃す時、私たちの内面も仕事も、果実を実らすことができなくなってしまうだろう。日々の研究が私の目の前に提示してくれる自己展開から、そのようなことを学ばせてもらった気がしている。

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