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517. 冬の中の灯火


フローニンゲンの街も完全に冬に入ったようである。早朝、書斎の窓から目の前のストリートを眺めると、厚手のコートやニット帽に包まれた人たちが懸命に自転車を漕いでいるのが見えた。

私も今日からいよいよ、自宅のヒーターを活用し始めた。ここからしばらくは、長い冬の時期となる。私は特定の季節を贔屓するというようなことはなく、どの季節もその固有さゆえに好んでいる。今は、冬の中に自己を置き続けるということが重要になると思っている。

冬の次にやってくる春を想うのではなく、冬の中で冬を想うことが大切になる。言い換えると、自己と冬が完全に重なり合うまで、自らをその季節に委ねることが大切だ。さもなければ、自分の内側で春がやってくる日など訪れようがないだろう。

書斎の窓から、再び外を眺めると、これまで黄金色の葉っぱを身にまとっていた木々が裸になっていた。裸となった木々を通して、真向かいにあるレンガ造りの家々が、これまで以上に存在感を放っているように思える。

それらの裸の木々に、再び葉が生い茂り、実がなるときまでに、自分はどのような仕事を積み重ねていくことができるのだろうか。そのようなことを想う。これは春を想うことに近い感情かもしれない。そうした感情に囚われることなく、今日もまた自分の仕事を進めていきたいと思う。今の自分にとって、それが冬を通して冬を生きることなのだ。

昨日のクネン先生とのミーティングを、また少し振り返っていた。そういえば、ミーティングが始まる前に、見知らぬ教授がクネン先生の研究室を訪問し、来学期の「複雑性と人間発達」というコースについて、二人は何やらオランダ語でやり取りをしていた。

二人の話を完全に理解することができなかったので、その教授が去った後、クネン先生にどのようなやり取りをしていたのかを聞いてみた。すると、その教授も私と同じくそのコースを受講するらしいのだ。このコースは、限られた人数の受講生しか受け付けておらず、基本的には「研究修士プログラム」に在籍する生徒向けのものである。

クネン先生に話を聞いてみると、先ほどの教授以外にも、ダイナミックシステムアプローチを含めた複雑性科学と人間発達について関心を持つ教授陣が、他にも何名か受講するそうだ。さらには、博士号を取得したポスドクの学生たちの中で、ダイナミックシステムアプローチを活用した研究手法に関心のある者たちも何名か受講するらしい。

修士課程の学生のみならず、ポスドクの学生や教授陣たちもこのコースを受講するというのは、多様性に溢れていて、とても望ましいことだと思った。クネン先生ともう少しこのコースについて話をしていた。

その後、私が先週初めて受けた最終試験の話をすると、クネン先生が、昨年のこのコースの履修者のうち、一回で試験を通過できたのは半分ほどであった、という興味深いデータを教えてくれた。つまり、オープンクエスチョン六問から構成される試験を突破できたのは半分の受講生だけであり、残りは落第であった——追試を受けることになった——、ということだ。

受講生用のポータルサイトに、講義で用いられるPPT資料がすでにアップロードされていたので、全てに目を通してみると、なかなかレベルの高いことを要求するコースなのだとわかった。ヨーロッパを代表する研究大学院では、このように高度な教育を施してくれるのだ、ということに喜びの感情が芽生えた。

来学期は、とにかくこのコースに集中し、学び取れるものをすべて学ぶ気持ちで学習を進めたい。来週からのコースの開始に向けて、クラスの中で扱う内容を事前にある程度頭に入れておき、クラスで取り扱うエクササイズを事前に自分の手を動かしながら取り組んでおきたいと思う。

このコースに参加するポスドクの学生や教授陣と共同研究する日を念頭に置きながら、ダイナミックシステムアプローチに関する理論と技術を高められるだけ高めよう、という強い意志がある。

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